「医療的ケア児」の支援強化へ 沖縄県、23年度に拠点設置


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 日常的にたんの吸引などが必要な「医療的ケア児」を社会全体で支援するため沖縄県は、相談などの各種支援業務を担う「医療的ケア児支援センター」を2023年度中に設置する。8日に那覇市のロワジールホテル那覇で開かれた県子ども・子育て会議の場で県障害福祉課が報告した。

 同センター業務は沖縄肢体不自由児協会に委託する予定。開設に向けて同協会にコーディネーターを配置しており、各市町村と情報交換しながら症例検討や支援の先進事例を把握し、支援体制を構築していくという。

 県障害福祉課によると、県内の医療的ケア児は約440人。21年の医療的ケア児支援法施行前は200人台としていたが、各地域のネットワークが広がり、支援を必要とする人数が掘り起こされているという。

 同課は、学校などで医療的ケア児に対応する看護師の不安感などを軽減するため「チーム体制を構築し、孤立させないようコーディネーターと連携する」と説明した。

 同会議では、県の「黄金っ子応援プラン(県子ども・子育て支援事業支援計画)」の進展状況が報告されたほか、待機児童問題解消のための保育士の処遇改善策や、保育施設における乳幼児死亡事故の防ぐ手だてなどについても意見交換した。

(嘉陽拓也)