【動画あり】獅子舞、クイチャーで無病息災願う 宮古島市城辺・比嘉集落で伝統の「旧二十日正月」 沖縄


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「旧二十日正月」で勇壮に舞う獅子舞=10日午後、宮古島市城辺の比嘉地域総合施設前

 【宮古島】旧暦1月20日に当たる10日、沖縄県宮古島市城辺の比嘉集落で伝統行事「旧二十日正月(パツカショウガツ)祭」が開かれた。勇壮に舞う2頭の獅子舞に続き、マーニ(クロツグ)の冠をかぶった住民が三線にほら貝、鐘を鳴らして集落の厄をはらい、無病息災や五穀豊穣を願った。

 旧二十日正月は明治時代に字有地の山林を巡る士族と平民の長い訴訟が1912年に和解したことを記念し、翌13年の旧暦1月20日から始まったとされている。戦争で一時中断したが55年に再開され、今年で110年目になる。比嘉の獅子舞は、市の無形民俗文化財に指定されている。

 比嘉地域総合施設で自治会の伊良部浩一会長が開始を宣言すると、獅子2頭が躍り出た。獅子舞の後ろには歌・三線や横笛に太鼓、ホラ貝、かねをならす住民が続いた。施設前の広場では全員が輪になって「比嘉のクイチャー」を踊り、無病息災を願った。

 新型コロナ感染防止のため近年は規模を縮小して開催していたが、4年ぶりに地域の子どもたちも参加し、集落に笑顔と歓声が響いた。

 獅子は集落内を巡り、新築した牛舎や新車、重機などの厄も払った。