中学時代、ボリビア学生との交流で衝撃 カナダに留学中の與崎さん 県人ネットワーク継承に意欲


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カナダでエイサーデビューした與崎夢乃さん=バンクーバー

 カナダ・バンクーバーに糸満市出身の與崎夢乃さん(21)が留学中だ。ビジネスとマーケティングを学びたいと、チェコの経済大学に留学することが決まっていたが、ロシアのウクライナ侵攻の影響でバンクーバーに変更した。

 夢乃さんは開邦高校を卒業後に横浜市立大学の国際教養学部に進学した。大学で建築や観光などの街づくりを勉強している。現在は休学中で、昨年9月からビジネスを勉強するためバンクーバーの専門学校に通っている。高齢者と障がい者を支援するマッチングサービスの会社でデジタルマーケティングとしても関わる。最初の半年間は専門学校で勉強し、後半の半年間は企業に就職するという。2月開始のインターンシップに向けて、並行して就職活動も続けている。

 夢乃さんは中学生だった2015年に、ボリビアのコロニア・オキナワの学生と交流したことをきっかけに世界のウチナーンチュに興味を持った。「地球の反対にいる同じ年の子たちが、自分よりも琉球文化に精通していること、沖縄に思いをはせていることが衝撃的だった」と振り返る。

 バンクーバーでは、中学時代から興味のあった世界の若者ウチナーンチュと、県内若者の架け橋になりたいと沖縄県人会活動にも積極的に参加する。ウチナーネットワークの継承・発展に取り組む、一般社団法人世界若者ウチナーンチュ連合会(WYUA)から県人会を紹介してもらった。バンクーバー沖縄太鼓のメンバーとしても活動している。

 県人会とエイサーの活動は週に一回参加。夢乃さんは「沖縄が恋しいという気持ちがずっとあったけど、沖縄の人と関わることで沖縄愛を発散できている」と説明する。

 今年の8月末まで留学の予定。夢乃さんは「沖縄愛を持つきっかけとなったボリビアのコロニアオキナワやブラジル、ペルーのウチナーンチュを訪ねて、自分なりのアイデンティティーと世界に残したい沖縄を見つけて、沖縄県内に発信したい」と目標を掲げた。勉強面では「カナダで学んでいるビジネスとマーケティングの知識を、どのように沖縄で生かすことができるかを考えていきたい」と話した。 (安里三奈美通信員)