OTV杯中学バレー 女子はあげなが10年ぶり優勝、男子は西原東が11年ぶりV


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 バレーボールのOTV杯第40回九州中学校選抜優勝大会県大会最終日は11日、那覇市民体育館で決勝リーグの残りの試合を行い、男子は西原東が3勝し、11年ぶり15度目の頂点に立った。2位は宮里、3位は伊良部島、4位は与那原だった。女子はあげなが3勝し、10年ぶり4度目の優勝を果たした。2位は石垣第二、3位は長嶺、4位は西原だった。男女上位3チームは3月25~27日に大分県で行われる京王観光カップ第40回九州中学校選抜優勝大会に推薦される。


攻撃リズム戻り逆転 女子・あげな
 

女子決勝リーグ あげな―石垣第二 第3セット、スパイクを決めるあげなの與那嶺桜笑=11日、那覇市民体育館(ジャン松元撮影)

 第1セットを落としたあげなだったが、自ら嫌な流れを断ち切り、逆転で石垣第二を下した。花城心美主将は「全員バレーで優勝できたのがうれしい」と声を弾ませた。

 第1セットは昨年7月にセッターになった名嘉山綾音が苦しんだ。トスが安定せず、ミスが続いた。花城主将が「次のセット取りに行くよ」と声をかけ、第2セットのコートへ。名嘉山も「しっかり集中」と自らに言い聞かせた。安定感を取り戻した名嘉山のトスに応えたのは2年エースの與那嶺桜笑と1年エースの岸本ななみ。154センチと小柄ながらチーム最高到達点275センチの與那嶺がブロックやレシーバーの位置を確認し、フェイントも混ぜながら得点を重ねる。與那嶺にブロックが集まると岸本が空いたスペースにスパイクをたたき込んだ。チーム全体の攻撃のリズムも戻り、第2セットを奪取した。第3セットは石垣第二の粘りのバレーに点差を縮められるも、最後は與那嶺が試合を決めた。

 新人大会で石垣第二に敗れた後、コンビバレーへの対策でOGのいる高校と練習試合を重ねた。技術的な成長とともに「自らのリズムを取り戻せるようになった」(花城主将)と精神面での成長も手にした。控えのメンバーにもスパイカーがおり、攻撃の幅は広い。エースとしてチームを引っ張る與那嶺は「もっとコースの打ち分けをうまくしたい」と九州大会へさらなる成長を誓う。

(屋嘉部長将)


相手エース対策決まる 男子・西原東

男子決勝リーグ 西原東―宮里 第2セット、スパイクを決める西原東の嶺井大昊(ジャン松元撮影)

 スパイク、ブロック、レシーブを高い精度で決める宮里の絶対的エース・比嘉晃跳への対策に成功した西原東が2勝同士の決勝リーグ最終戦を制し、1月の新人大会のリベンジを果たした。

 安定したサーブレシーブをする比嘉に対し、西原東はほかの選手に拾わせるようにさまざまなコースに放ったサーブで崩した。比嘉のスパイクに対してはブロックでコースを制限。その上で「とにかくレシーブをあげる」とリベロの新垣輸助を中心に拾い続けた。

 攻撃では比嘉の高いブロックにエースの嶺井大昊と左利きの潮平諒丞が対応。ブロックを避けたコースにもレシーバーが構えていたために、アタックラインより手前のコースへインナースパイクを多用した。最後は前底泰成と主将・山城歩夢のコンビバレーで山城がスパイクをたたき込み、勝負を決めた。

 新人大会では決勝リーグで宮里に敗れた西原東。謝名堂弥監督は「気持ちで引いていた」と振り返る。その後の練習では、レシーブを重視。一人一人の守備範囲を広げる「しに(とても)きつい練習」(山城主将)の成果が現れ、皆が積極的にレシーブを取りにいった。

 エースの嶺井は「さらに守備を強化し、つないで自分が決めたい」と確かな手応えとともに3月に控える九州大会へ向かう。

(屋嘉部長将)