中国の軍拡は脅威か?8割が「脅威に感じる」 ミサイル配備「受け入れ」はゼロ<安保3文書・首長アンケート>


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海上自衛隊の輸送艦「しもきた」から下船する、ミサイル弾薬などを積んだとみられるトラック=2022年11月、宮古島市の平良港下崎ふ頭

 日本の防衛体制強化の方針を盛り込んだ安全保障関連3文書の閣議決定を受け、琉球新報社は県内41市町村長を対象にアンケートを実施した。


中国軍拡 「脅威に感じる」8割

 軍事費の増強を強める中国について、82・9%に当たる34人の首長が「脅威に感じる」と回答した。「どちらとも言えない」は7人(17・1%)で、脅威に感じないと答えた首長はゼロだった。他の質問と比べて、「どちらとも言えない」と回答した首長の割合は低く、南西諸島周辺や南シナ海で権益拡大に向けた動きを加速させる中国に危機感を覚えている。

 石垣市の中山義隆市長は「東シナ海、南シナ海等における海空域において、力による一方的な現状変更の試みを強化するとともに、ロシアとの戦略的な連携を強化し、国際秩序への挑戦を試みている」と批判した。

 一方、どちらとも言えないと回答した首長の多くはその理由については言及しなかったが、知念覚那覇市長は「中国に限らず、軍拡の傾向にある世界情勢については遺憾に思う」と回答した。

(吉田健一)


ミサイル配備 「受け入れ」ゼロ

 敵基地攻撃能力を有するミサイル部隊の配備を自治体に打診された場合どう対応するかの質問で、県内41市町村長のうち21人(51・2%)が「どちらとも言えない」、20人(48・8%)が「受け入れられない」と答えた。「受け入れる」との回答はなかったものの、住民投票や住民の理解を得て、必要であれば受け入れを検討するという声も寄せられた。

 「どちらとも言えない」と答えた首長からは、「自衛隊基地が市街地に隣接する本市の特殊性を鑑みて、総合的に判断する必要がある」(知念覚那覇市長)などの回答があった。

 一方で「受け入れられない」と回答した首長からは「住民を危険にさらすことになる」(比嘉孝則北中城村長)などの声があった。

 1月の本紙インタビューで敵基地反撃能力を行使できる装備の配備について「基本的に容認」と答えた中山義隆石垣市長は「どちらとも言えない」を選択した。

(石井恵理菜)


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