「沖縄に恩返ししたい」 遠藤鉄筋工業の日系4世ホセさん 名護高ラグビー部に器具を贈呈


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
トレーニング器具「パワースレッド」を寄贈した遠藤鉄筋工業の遠藤ホセ社長(前列右から4人目)と激励に訪れた譜久里武さん(同5人目)と名護高校ラグビー部の選手ら=1日、名護市の名護高校

 【名護】「沖縄に恩返しがしたい」―。鉄筋工事やコンテナハウスの販売、フィットネス事業などを展開する、うるま市のENDO GROUP(遠藤グループ、遠藤ホセ社長)が1日、名護高校のラグビー部に足腰を鍛えるトレーニング器具「パワースレッド」を寄贈した。社長の遠藤さん(42)は「花園に出場した名護高校の奮闘に感動した。夢に向かって頑張る選手たちを応援したい」と話した。

 遠藤さんはペルー生まれの日系4世。高校卒業後に来日し、神奈川県で家族と生活していたが「親元にいたら甘えてしまう」と20歳で沖縄に移り住み、鉄筋工事の現場で働き始めた。2013年に「遠藤鉄筋工業」をうるま市に設立した。現在は鉄筋工事を始めコンテナハウスや仮設資材のレンタルなどのほか「病気で倒れた経験から、健康の大切さを知った」とフィットネス事業「OKINAWA GYM」も展開する。遠藤さんはインスタグラムで名護高ラグビー部の活躍を知った。トレーニング器具の取引などで交流のあったアスリート工房(宜野湾市)の譜久里武代表を介し、県内では市販されていないというパワースレッドを県外から取り寄せ、名護高に寄贈した。

 寄贈式に駆け付けた譜久里さんは「ラグビーは紳士のスポーツで、皆さんはたくさんの人に応援されている。自分たちの夢にたくさんの人を巻き込んでいってほしい」と激励した。

 名護高ラグビー部元主将で、大阪体育大学を卒業後、現在は母校の監督を務める田仲祐矢監督(34)は「大学時代にパワースレッドを使ったことはあるが、沖縄ではなかなか見掛けない。ラグビーに不可欠な強靱(きょうじん)な足腰を鍛えられる優れたトレーニング器具で、大変ありがたい」と感謝した。

 選手を代表し、キャプテンの屋部樹志さん(17)は「いただいた素晴らしい器具でトレーニングし、夢をかなえるため頑張りたい」と活躍を誓った。 (松堂秀樹)