貸した本どこいった? 那覇市立図書館へのサイバー被害で所在不明に 「早めの返却を」


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サイバー攻撃の影響を受け、貸し出し手続きに時間がかかることを案内する張り紙=8日、那覇市立中央図書館

 昨年10月に那覇市立図書館・図書室がサイバー攻撃を受けてコンピュータウイルス「ランサムウエア」に感染し、書籍などの貸し出しができなくなった件で、同館がサイバー攻撃前の情報にアクセスできず、貸し出した書籍や音響・映像(AV)資料などの所在が分からなくなっている。現在、新システムに所蔵物の情報登録作業を進めているといい、同中央図書館の島袋元治館長は「借りた書籍は早めに返却してほしい」と呼びかけている。

 2022年3月末現在で市立図書館の8施設には、書籍やAV資料が66万9028点あった。サイバー攻撃後の23年1月20日に、約56万5千点の現存は確認できたが、各施設に残っている書籍などの確認作業はまだ完了していないという。島袋館長は「図書館内の書籍の確認作業を進め、貸し出し中の資料も把握したいので協力してほしい」と求めた。

 サイバー攻撃後、市立図書館は貸出冊数を制限していたが、1月21日までに解除した。検索サービスの一部も再開しており、予約サービスは2月16日に再開する予定だ。貸し出しの際、登録作業で時間がかかる場合があるという。 (友寄開)