写真撤去は「人権への配慮」 沖縄県立博物館長が見解 平良孝七展


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沖縄県立博物館・美術館

 沖縄県立博物館・美術館で1月15日まで開催された平良孝七展で「人権上の問題がある」と指摘された複写パネル2枚と別の写真1枚を同館が撤去した件で、田名真之館長が14日、同館ホームページで「当時の表現を尊重しつつ展示方法を工夫する対応を行った」などと見解を発表した。

 田名館長は発表文で「現在の人権感覚からは被写体の人権がおろそかにされた写真が展示されているとのご指摘」を受けたと、展示物を撤去した経緯を説明。「貴重なご意見を真摯(しんし)に受け止め、当館の今後の展覧会の開催や調査研究活動に生かせるよう取り組む」とした。

 館長の声明と同時に、経緯を説明する文書も発表した。県内外の写真家らでつくる「平良孝七展の修正を求める会」から指摘を受けていない写真も撤去したことについては「人権上の配慮から取り下げるべきであると判断した」とした。

 平良孝七の遺族への説明については「著作権者である名護博物館と写真集の出版元との協議・合意を得た」「遺族に対してはご来館いただいた折に説明申し上げた」としている。
 (宮城隆尋)