月収3万「コロナに振り回されている」在宅で光熱費や食費は増 40代女性、返済免除に託す望み


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コロナ禍の3年を振り返る40代女性=1月下旬、本島中部

 新型コロナウイルス感染の県内初確認から3年がたち、今なお各方面でコロナ禍の影響が続いている。本島中部に住む3人の子育て中の女性=40代=は、コロナにより自身も一時収入が減ったほか、夫の転職やけがが重なり、世帯年収は減ったまま。国のコロナ特例貸し付けで80万円を借りたが、返済が厳しく猶予申請した。「コロナに振り回されている」と話し、コロナ前の生活に戻れる見通しは立っていない。

 一斉休校となった2020年3月、女性は幼い子を含む小中学生3人の面倒を見るため、パートの事務職を休まざるを得なかった。相次ぐ休校で減収する一方、生活費など支出が増加した。

 8万円ほどの月収は、半分以下の3万円台に落ち込んだ。給食がない分、食べ盛りの子どもたちの食費が増え、在宅が長く光熱費もかさんだ。

 生活費に困り「悩みに悩んだ」末に21年6月、国のコロナ特例貸し付けで80万円を借りた。だが昨年、運送業で月収二十数万円あった夫の転職やけがで収入が減少。けがはまだ完治せず、以前の世帯収入には回復していない。

 昨年の世帯収入は百十数万円台の見通しで、貸し付けの返済免除の住民税非課税世帯になる可能性があるという。今年1月から始まる予定だった返済は、1年間の猶予申請をした。非課税世帯になるかどうかは6月に分かるといい「免除になれば気持ちは少しは楽になる」と望みを託す。

 最近は物価高に電気代の高騰が見込まれ、今後の生活に不安が募るばかり。持病のある家族がいるため、感染対策は徹底してきた。「これからコロナの規制も緩和される。まだ安心して外には出られない。節約などでさらに気を引き締めて生活していくしかない」と自らに言い聞かせた。
 (金良孝矢)