西表島、年間入域観光客数を制限へ 自然遺産保全で観光計画


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西表島(資料写真)

 【西表=竹富】世界自然遺産登録地の西表島の持続可能な観光を実現するため、観光に関わる構想や計画、制度などを統合した「西表島観光管理計画」策定について話し合う会合が15日、竹富町離島振興総合センターとオンラインで開催された。今回の意見を受けて、年間の入域観光客数の上限設定が初めて盛り込まれる方針が示された。今年度中の策定に向けた作業が大詰めを迎えている。

 会合には行政機関や西表島各地区の住民代表者、西表財団、ダイビングやカヌーなど関係団体が参加した。世界遺産登録に向けて西表島部会が2020年に策定した「持続可能な西表島のための来訪者管理基本計画」を改定する。

 これまでの計画案では、事前にマスツアーの日程調整を行う体制の構築など利用時期の平準化を図りながら、1日1200人、前年度比で10%増までは認めるとしていたが、複数の参加者から「最大で年間40万人を超えてしまうのではないか。具体的な数字が必要だ」と要望されてきた。

 今回の会議でも琉球大学熱帯生物圏研究センター西表研究施設の渡辺信准教授やトラ・ゾウ保護基金西表島支部やまねこパトロールの高山雄介事務局長らが指摘した。

 事務局の県は、来訪者数を制限する手段がないことなどを理由に慎重な姿勢を示してきたが、今回、初めて年間の来訪者の上限設定を盛り込む方針を示した。
(八重山毎日新聞提供)