「知事自ら掲げた事をしっかり実行して」里親と児童の面会求め沖縄県に要請 3団体


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知事が明言した、委託解除された児童との交流を求める小橋川学さん(右から3人目)と支援者ら=16日、県庁

 那覇市の小橋川学さんら夫妻が生後2カ月から5年以上養育した児童の養育を児童相談所から解除された事案について、里親有志の会やこどもファーストの会、子どもの育ちをまもる会は16日、県の子ども生活福祉部に抗議文を手渡した。玉城デニー知事が掲げた里親と児童の交流がほぼ実現していないため、児相による改善策を第三者が検証する仕組みを求めている。3団体は同日に県庁で会見を開き、昨年4月に玉城知事が児相の対応を謝罪し、問題解決に取り組む考えを示したが、具体的な進展がないと指摘した。また、強引な委託解除後、一時保護ではなく別の里親に委託した説明も求めている。

 会見に同席した小橋川さんによると、昨年5月に弁護士を介して実親と電話で話し合い、互いの気持ちを伝え合ったという。ただ、同年8月に子ども生活福祉部からも実親との話し合いを提案されたが、突然中止となり、その後の連絡は何もないという。

 実親と里親と児童の3者交流や里親へのケアもなく、別の里親に委託を続ける県の対応に3団体の出席者らは「ほとぼりが冷めるまで、うやむやにしようとしている。これでは子どもの権利をないがしろにする事案が繰り返される」と懸念を示した。小橋川さんも「知事自ら掲げた事をしっかり実行してほしい」と訴えた。
 (嘉陽拓也)