大手IT企業の不況の原因 モバイルプリンスの知っとくto得トーク[295]


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モバイルプリンス

 

最近、人気YouTuberたちが「YouTubeでは稼げなくなった【※1】」「広告収入が下がった」などの動画を出して話題になっています。

YouTuber1人1人の収入が下がる原因はいろいろあるのでしょうが、実は、YouTubeそのものの広告収入も伸びが悪くなっています。

今年7~9月の広告売り上げが、初めて前年を下回りました。

 

※1 「YouTubeでは稼げなくなった」 … YouTubeに動画を投稿すると、「視聴数」「高評価数」だけでなく、「平均視聴時間」「視聴者がアクセスしている時間」など、細かい分析データを見ることができます。YouTuber側も「こういう風に動画を作って投稿しないと人気が落ちていくよ」とプレッシャーをかけられるつくりになっています。

 

モバイルプリンス

 

企業は売り上げや利益の増減、その理由について報告する「決算発表会」を定期的に行います。それによると、YouTubeだけでなくほかの大手IT企業もこの1年は売り上げや利益が減っています。

各社とも理由として「新型コロナの反動」と述べています。2020年に新型コロナウイルスが世界的に感染拡大し、「ステイホーム」を強制された多くの人がスマホをずっと使い続けたことで、IT企業は売り上げが大きく伸びました。しかし、感染状況が落ち着いてきてステイホームが解除されると売り上げは元に戻り、結果として今苦しんでいるということですね。

 

モバイルプリンス

 

ざっくりまとめると、私たちがスマホを使えば使うほど、IT企業はもうかる仕組みになっているのです。

たくさん広告を見たり、物を買ったりするからです。私たちはつい時間を忘れてアプリを使ってしまいます。

IT企業がもうかるため、私たちがたくさん使いたくなるように、飽きさせないように作り込まれている【※2】からです。

IT企業の決算発表会は遠い世界の話のように感じるかもしれませんが、こうした所からスマホの本質が見えてきて面白いです。

 

※2 「飽きさせないように作り込まれている」 … YouTubeはTikTokに対抗すべく、ショート動画に力を入れ始めました。ほかのSNSもそうですが、世の中で人気の機能が出てくると、それらを積極的に取り込んで、視聴者を飽きさせないようにします。これはゲームも同じような仕組みで、プレーヤーを飽きさせないよう積極的にアップデートしています。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 1987年、沖縄市出身。お笑い芸人・携帯電話ショップ勤務の経験を生かし、スマホ・ネット活用の方法を楽しく、わかりやすく伝える。2020年、本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」を出版

http://smartphoneokoku.net/

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