米軍パラシュート訓練、地元議会が初の目視調査 「風にあおられ域外では」「安全に配慮している」与野党の反応分かれる


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津堅島訓練場水域での米軍のパラシュート降下訓練を目視確認するうるま市議ら=22日、うるま市

 【うるま】うるま市議会基地対策特別委員会(藏根武委員長)は22日、米軍の津堅島訓練場水域で実施されるパラシュート降下訓練の目視調査が平敷屋タキノーで行われた。目視調査は初。委員会の市議10人が訓練を確認した。地元の勝連漁業協同組合の上原勇行組合長らへの聞き取りも実施した。

 「風にあおられている。訓練域外に着水するのではないか」「奥行きが目視では分からないから域外とは言えない」。パラシュートが流れる様子を見た与野党市議の意見はかみ合わなかった。

 保守系の藏根委員長は「漁船が確認できなかったし、米軍は安全性に配慮して訓練をしていると感じた」と振り返った。上原組合長の訓練の反対については「組合員から訓練の苦情はいまのところない。総意としての反対ではない」と述べた。

 一方、野党系の伊波洋市議は「風の流れ方をみると訓練域外にまで流れる可能性がある」と指摘。組合員の苦情については「保証金の兼ね合いもあるし、個人で声は上げづらいのではないか」と疑問視した。

 市議会では昨年12月、訓練に反対する抗議決議と意見書が反対多数で初めて否決。委員会は今年4月以降、沖縄防衛局の職員とともに海上視察を予定している。
 (古川峻)