辺野古県民投票から4年「反対」多数の結果も「変わらない現状」 声あげ続ける男性が訴えること


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土砂などを積んだ大型車両の前を横断しプラカードなどを掲げ抗議する人々=21日、名護市安和

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票から、24日で4年。有効投票の約72%が「反対」に投じたが、政府は埋め立て工事などを強行し続けている。地元の名護市では変わらない現状に抵抗し続ける声も上がる一方で、諦めに近い声も聞こえた。

 辺野古区に住む男性は4年前、投票に行かなかったという。辺野古区は条件付き容認の立場であることに触れ、「地元は『賛成』『反対』と単純に言えない」と振り返る。

 県民投票では辺野古、豊原、久志の久辺3区の投票率が41.38%と市内で最低だった。男性は投票結果に「『民意』と言えるのか」と疑問を投げかけた。「当初から想定はしていたが、投票の結果、今も何も変わっていない」とため息交じりに語った。

 「どうやったら工事を少しでも遅らせるか考え実行するしかない」。辺野古区に住み、新基地反対を明言する男性(66)は諦めずにあらがい続ける意思を強調する。SNSを中心に、抗議する市民をやゆする投稿は後を絶たない。若い世代の抗議参加者も少ないことも課題だ。男性は「若い人の力を入れたい。いかに関心を持ってもらうかが課題だ」と語った。

 名護市宮里のcoconovaでは24日から3月26日まで、音楽やトークライブを通して沖縄の課題とこれからを考える「2・24音楽祭2023」が開催される。
 (長嶺晃太朗)