PFAS調査結果「明らかにすべきだ」 空自那覇基地に土地を所有する男性、防衛省の対応に憤り


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防衛省(資料写真)

 人体への有害性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)を含む泡消火剤が航空自衛隊那覇基地から流出・飛散した事故を巡って、基地内に土地を所有する男性が2022年10月に土壌調査を前提に立ち入りを申請したが、沖縄防衛局は同12月に拒否した。基地周辺で調査を実施したが結果を公表しない防衛省に対して、男性は「そんなことが許されるのか」と強く憤った。

 流出・飛散した泡消火剤は孫が遊んでいた庭にも入り込んだ。男性の強い求めに応じて空自が自宅を洗浄したのは4カ月後の6月だった。「先祖から継いだ土地を子孫に汚れていない形で残す」という強い思いから、男性は基地内の所有地の土壌調査を自費で実施するために立ち入りを申請。交渉を重ねたが、防衛局は12月に申請を拒否した。

 男性は「自分たち(防衛省・自衛隊)は調査しておいて、地主の調査は法的な根拠も示さず拒否する。結果も示さない」と怒りに語気を強める。

 その上で「私の所有地が汚染源となって、自衛隊員を含む周囲の人たちの健康を損なうかもしれない」と危惧し、「防衛省は結果を明らかにし、住民への説明と対策を速やかに行うべきだ」と訴えた。

(安里周悟)