「教員不足は見通しが甘い結果」…沖縄の正規率、全国ワースト 現場の教員に不満の声


社会
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 県内公立小中学校教員の正規率(定数に占める正規雇用の割合)は、全国で最も低い状況が続いていることが文部科学省調査や県議会の質疑で明らかになった。県は特別支援学級の増加を要因に挙げる。一方、現職教員からは県の採用計画の見通しの甘さを指摘する声が上がっている。

 県は2016年度に小中の特別支援学級について、児童生徒数の下限を撤廃。児童生徒1人でも学級を設置できる一方、確保すべき教員数も増える。正規教員だけでは不足する分は、臨時的任用や非常勤講師で配置するため、正規率の低下の一因になっている。

 正規率は深刻な教員不足につながる問題として教員らの関心も高く、複数の声が寄せられた。

 小学校の特別支援学級で担任を務める女性は「確かに特支学級の増加は教員不足の原因になっていると思うが、増加傾向は前から分かっていたはずだ。見直しが遅かったり甘かったりした結果、教員不足になっている」と指摘した。

 教員候補者を採用する選考試験の受験者も首をひねる。採用試験の倍率は全国的に低下が続き、文科省調査によると21年度実施の採用試験では、小中高など全体の倍率は3・7倍で過去最低だった。沖縄も低下傾向にあるが、20年度実施の採用試験では、全国で最も高い8・8倍となるなど、高倍率にある。

 中学教員を目指している30代の男性は「何度も採用試験に落ちている。不合格が続いている一方で教員不足のニュースを見ていると、どこか納得いかない」と疑問視した。

 (嘉数陽、古堅一樹)