ソフトバンク・東浜、V導くエースに 規定投球回の達成へ土台作り<疾走県勢2023春キャンプ>


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ブルペンで投げ込む東浜巨=5日、宮崎県(西日本新聞社提供)

 エースの千賀滉大が海外FA権を行使し米大リーグへ移籍したソフトバンクで、共に投手陣を支えてきた右腕の東浜巨(32)=沖縄尚学高―亜細亜大出=は、決意を新たに11年目のシーズンへ突き進む。「耳にたこができるくらい言われている」という次のエース争いに、真正面から挑みにいく。

 昨年5月、千賀以来で球団史上3人目となる無安打無得点の大偉業を成し遂げた。10勝で5年ぶりに勝利数を2桁に乗せ、防御率3・11を記録した。ただ負けが重なるなど、想定より早く途中降板を余儀なくされることもあった。結果、規定投球回に届かなかった。

 エースとして求められる規定投球回の達成へ。自己最多の170回以上投げることを目標に掲げ、より覚悟を持ってオフから強度の高いトレーニングに励んできた。

 「中継ぎ陣が強力な分、試合中盤に少しでも球速が落ちたり、球が浮いたりしてきたら変えられる」と、キャンプに入っても長いイニングに耐えられる土台作りに余念がない。昨季はできなかった「ハイパフォーマンスの継続」をテーマに掲げ、取り組んでいる。

 今季から沖縄尚高校時代にバッテリーを組んで選抜大会優勝を果たした嶺井博希が加入し、うれしさも。21日の紅白戦で共演し懐かしい姿を見せた。さらに母校が3月の選抜大会に出場することに、「楽しみの多い年になる」と自然と心は浮き立つ。

 心身の充実を図り、3年ぶりのリーグ制覇へ。「年齢も上になっている。もちろん結果で引っ張っていくが、それ以外のところでもチームの力になれるよう心掛けていきたい」。真のエースへと駆け上がった先に、チーム優勝をつなげたい。

(謝花史哲)