「沖縄の自慢の力士に」 中農高出身・城間瑠正 尾上部屋入門、幕内目指す


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
尾上部屋へ入門し、大相撲の土俵を目指す城間瑠正(右)と尾上部屋の尾上親方=ANAどすこいパーク浦添

 浦添市出身の城間瑠正(りゅうせい、中部農林高―日本大4年)が大相撲の土俵を目指し突き進んでいる。尾上部屋への入門が決まっており、4月の新弟子検査を経て、正式に入門する。憧れの角界入りに「びっくりした」と驚きを隠せない城間だが、「沖縄の人の自慢になれるような力士になりたい」と意気込む。

大きな体を生かす

 城間が相撲を始めたのは内間小2年生の時。当時すでに150センチ70キロと同級生に比べて大きく、何かスポーツを始めたいと考えていた。相撲をしていた同級生がいたことから「遊びにいく感覚」で初めて競技に触れた。

 最初の大会では野球部の選手に敗れた。その悔しさもあって練習に打ち込み、4年ではわんぱく相撲全国大会でベスト8になるまで力をつけた。「勝つ楽しみを知った」と競技にのめり込み、同時に「力士になりたい」との夢を描くようになった。

国体の相撲団体戦で相手と激しくぶつかり合う城間瑠正(右)=2022年10月3日、栃木県

大学の壁

 浦添中3年生の時には全国中学校体育大会で県勢初の団体優勝に貢献した。中部農林高では九州大会で県勢初の個人2冠を達成し、全国高校総体で5位入賞するなど成績を残した。大学は、全国学生相撲選手権大会で歴代最多30回の優勝を誇る強豪・日本大へ進学した。

 しかし、レベルの高い大学相撲に対応できず、結果が残せない日々が続いた。それでも、泣きながら何杯もごはんを食べ続け、170キロまで増量。「器用なことはできない」と、パワーで押し切る相撲も体のぶつけ方や腕の使い方などを工夫するようになった。

 努力は4年次の時に花開いた。全国選抜大会では団体優勝に白星で貢献し、全国学生体重別選手権大会135キロ以上級で3位に入るなど大きく成長。結果もついてきて「自信が出てきた」。それでも卒業後は就職を考えていたという。

「光っている」

 契機となったのは去年10月。日本大の稽古場を見学に来ていた尾上部屋の尾上親方(元小結・濱ノ嶋)は、城間のパワーのある当たりの強い相撲に目が留まった。「いいものを持っている。光っている」と感じたという。「プロに向いているよ」と声をかけられた城間は「心が決まった」と入門を決意した。

 尾上親方は「しっかり目標を持って一歩一歩、けがをしないように頑張ってほしい」と期待を込める。角界を目指すことを聞いた母・利恵さんは「うれしかった。テレビで取組を見られるのが楽しみ」と声を弾ませる。

 幕内を目標に掲げる城間。「今まで以上に努力していきたい。相撲をやっている子どもたちから憧れられるような力士になりたい」と土俵の上での活躍を誓う。
 (屋嘉部長将)