ままならぬ老いらくの片思い
はまもとせいしゅん(糸満市)
74歳にして 初めて味わう
片思いの辛(つら)さ 儚(はかな)さ
瞼(まぶた)を閉じても あなたの微笑(ほほえ)み
忘れよう 忘れよう
ままならぬ片思い
しとしと降る長雨 胸も濡(ぬ)らす
ほほを濡らす 涙
月桃も雨に濡れ ピンク色
わが想いも 雨に濡れ
晴れる日 待ちわびる
あなたの微笑みに惹かれ
わたしは 愛の徘徊(はいかい)
老いた恋に 花はしぼみ
胸のときめきのむなしさよ
あーままならぬ 片思い
西原裕美・選
寸評
心の表現が丁寧で、雨と月桃により心情が伝わる。