ままならぬ老いらくの片思い/はまもとせいしゅん<琉球詩壇・3月4日>


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎

ままならぬ老いらくの片思い 

はまもとせいしゅん(糸満市)


 

74歳にして 初めて味わう
片思いの辛(つら)さ 儚(はかな)さ
瞼(まぶた)を閉じても あなたの微笑(ほほえ)み
忘れよう 忘れよう
ままならぬ片思い

しとしと降る長雨 胸も濡(ぬ)らす
ほほを濡らす 涙
月桃も雨に濡れ ピンク色
わが想いも 雨に濡れ
晴れる日 待ちわびる

あなたの微笑みに惹かれ
わたしは 愛の徘徊(はいかい)
老いた恋に 花はしぼみ
胸のときめきのむなしさよ
あーままならぬ 片思い


西原裕美・選

寸評

心の表現が丁寧で、雨と月桃により心情が伝わる。