首里城正殿「扁額」の見本をチェック 「中山世土」12月完成目指す 龍の彫刻や題字も 製作検討委


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首里城正殿(資料写真)

 2019年の首里城火災で焼失し、県が新たに製作する3枚の正殿扁額(へんがく)について、県の扁額製作検討委員会(委員長・高良倉吉琉球大名誉教授)は2日、那覇市松尾の八汐荘で会合を開き、額縁の彫刻や題字など試作品の製作に向けた見本を確認した。県首里城復興課は来年度から試作品の製作を始め、12月までの完成を目指すとしている。

 今回の試作品は最初に製作する「中山世土」の1枚を対象とし、断面構造が見えるように半分のみ作られる予定となっている。試作品の製作前に改善点を見つけるために見本を作り、確認した。会合では正面を向く龍の彫刻や題字など、扁額の構成部品の見本も展示された。

 高良委員長は扁額の製作について、「正殿再建の工程の関係で、かなり厳しい日程になる」との認識を示した。その上で、「正殿ができた時点で2階に扁額が掲げられるよう、知恵を振り絞ってほしい」とあいさつした。
 (武井悠)