核廃絶へ「声上げる高校生たち」を記録 映画が完成 沖縄の高校生も発言 県内で集会や署名も予定


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ドキュメンタリー映画「声を上げる高校生たち~核兵器禁止条約に署名・批准を~」を鑑賞する沖縄高校生平和ゼミナールの高校生3人=2月23日、沖縄県内(提供)

 【東京】核兵器廃絶と戦争のない世界に向けて学び、声を上げ、行動する高校生たちを記録したドキュメンタリー映画「声を上げる高校生たち~核兵器禁止条約に署名・批准を~」の完成披露試写会とトークイベントが2月23日、東京都内で開かれた。本作は東京や広島、沖縄などの高校生平和ゼミナールや平和サークル8団体に所属する高校生らが、2021年夏から約1年間、日本政府に核兵器禁止条約に署名・批准を求める署名活動に取り組み、その勇気ある行動を記録した。

 全国で集めた1万3642筆の署名を外務省に提出する様子やロシアのウクライナ侵攻に対してロシア大使館前で抗議する姿など、核兵器も戦争もない世界を求める高校生らの訴えを映し出している。

 ロシアのウクライナ侵攻から1年を迎える前の上映日同日、東京高校生平和ゼミナールの高校生や東京学生平和ゼミナールの学生ら約40人が、ロシア大使館前で停戦を求める抗議集会を実施した。沖縄高校生平和ゼミナールや広島、愛知の高校生らが「戦争反対」「STOP WAR」などと反戦平和を訴える抗議文を代読し、投函(とうかん)した。一行はウクライナ大使館までピースウォークを行い、停戦を求めて声を上げた。

 上映後のトークイベントでは、沖縄と広島をオンラインで結んで配信し、署名活動に取り組んだ高校生らが活動への思いを発言した。沖縄からは沖縄高校生平和ゼミナールの上原一路(ひろ)さん(高2)、吉良結花さん(高2)髙井楽々(ささ)さん(高2)の3人が発言。同ゼミナールを立ち上げた上原さんは、「沖縄の核の歴史を伝え、平和に向けてもっと行動を起こしていきたい」と決意し、さらなる活動への意欲を語った。

 今月、沖縄で高校生平和集会が開催予定で、県庁前での署名活動が予定されている。広島の高校生は、「この集会で他県の高校生と平和について深めていきたい」と発言した。

 作品は、高校生平和ゼミナール全国連絡センターが制作し、監督は有原誠治さん、ナレーションは俳優の斉藤とも子さんが担当した。映画のDVDは2千円で販売。問い合わせは同連絡センター、電話090(4819)2932。

(中川廣江通信員)