サッカー明治安田J3の第1節第1日の4日、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでヴァンラーレ八戸(青森)とホーム開幕戦を行い、1―0で勝利した。前半は互いに最後のシュートまでいく場面が少なく、均衡状態が続いたが、終了間際にケルヴィンが個人技からのシュートでゴールをこじ開け、先制点を奪った。後半は終盤に攻め込まれる場面が多かったが、しっかり守って0点に抑えた。観客数は3693人。次戦は11日午後5時から同スタジアムで、いわてグルージャ盛岡と対戦する。
(1)タピスタ
琉球 1勝(3)
1―0(1―0,0―0)
八戸 1敗(0)
▽得点者 【琉】 ケルヴィン(1)
▽観客 3693人
【評】前半、なかなか均衡を崩せない状態が続いたが、終了間際にケルヴィンがゴールをこじ開けた。硬さがほぐれた後半に追加点が欲しいところだったが、終盤は逆にボールをつながれて猛攻を受けた。守備陣を中心にクロスをはじき返し、ゴールを死守した。
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スタジアムを沸かせたのはケルヴィンの華麗な個人技だった。前半終了間際、ボールをリフティングしながら軽快な動きで相手2人をかわし、空いたコースを見逃さずに守備陣の隙を縫うミドルシュートをたたき込んだ。ブラジル人らしい妙技にサポーターは歓喜した。「自分でもベストと思える素晴らしいゴールだった。前半のチャンスが少ない中で得点し、勝利できてうれしい」と喜んだ。
ただ、チームとして課題も多い。ボールを大事にパス回しを徹底するが、なかなか仕上げのシュートまで持っていけなかった。パスやキックの精度で勝ったが、受け身の場面も目立った。ギアを一段階上げてチームで連動したプレスをかけることも必要になる。
武沢一翔は豊富な運動量でピッチを駆け回り、チームのエンジンとなった。21歳の森田凜はボランチとしてボールをさばき、落ち着いたプレーでゲームメークの一端を担った。後半投入の鍵山慶司はDFとしてではなく、中盤の選手として起用された。激しいプレスでボールに迫り、中盤を引き締めた。後半から投入の金崎夢生は積極的にゴールに迫ったが、イエローカード2枚で退場となり、得点はお預けとなった。
(大城三太)
簡単にはいかない
倉貫一毅監督(琉球)の話 苦しいゲームだったが、勝ち点3を取ることができて良かった。簡単にはいかないと痛感した。相手は攻守の切り替えが速かった。もう少し前から(プレスをかけて)いく形を増やしても良かった。後半はスタミナが落ちてしまった。
前半、消極的すぎた
石﨑信弘監督(八戸)の話 前半はプレーが消極的すぎた。ボールを前に運べる時も後ろに下げるプレーは良くない。後半は積極的に奪いにいけたが、大事なところで判断や技術的なミスが出た。前からアクションを起こしていかないと、後ろで連動できない。