肥満傾向の児童生徒、沖縄は全国平均を大きく上回る 22年度、運動時間は二極化


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 スポーツ庁が結果を公表した小学5年と中学2年対象の2022年度全国体力テストで、沖縄県内の肥満傾向にある児童生徒の割合は小中ともに全国平均を大きく上回った。小5男女と中2男子は、2008年度の調査開始以降、最も高い割合だった。

 県教育委員会の担当者はコロナ禍による運動時間の減少や、スマートフォンやパソコンなどの画面を見るスクリーンタイムの増加を指摘。1週間の総運動時間が「0分」、スマホなどの画面視聴時間が「5時間以上」と答えた児童生徒の割合も全国より高かった。一方、総運動時間が1日当たり1時間以上に相当する児童は全国平均を上回り、二極化を示している。

 軽度肥満以上の児童生徒の割合を示す県内の肥満傾向児の出現率は、これまで全国より高い値で推移してきた。本年度調査では、小5男子が18.5%(21年度15.0%)、女子13.3%(同10.9%)。中2男子が14.2%(同11.7%)、女子9.5%(同7.5%)といずれも前回調査から増加。全国との差が最も大きいのは小5男子で4ポイント、最も少ないのは中2女子で1.8ポイント差だった。

 運動習慣などに関する調査では、体育の授業を除く1週間の総運動時間が「0分」と答えた児童生徒は、小5男子6.5%、女子9.5%。中2男子8.3%、女子15.2%だった。小5男女、中2男子は公立学校の都道府県別集計で最も高い割合だった。中2女子は全国2番目。

 一方、小5は男女ともに「420分以上」運動すると回答した割合は、全国平均より高く、運動時間が多い子と全くしない子に二極化している傾向が読み取れる。

 平日1日に学習以外でテレビやスマホなどの画面を「5時間以上」見ると答えた割合は、小5男子18.4%、女子13.9%、中2男子19.2%、女子17.0%。いずれも全国平均を1.2~2.2ポイント上回り、長時間化している。

 県教委は、児童生徒が体育の授業以外でも運動に親しむことを目指す「一校一運動」などを継続し、日常的な運動習慣づくりを推進したい考えだ。

(吉田早希)