守備・インサイドの強さを武器に B1西地区2位・キングス ターンオーバーの多さが課題 残り22試合


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東アジアスーパーリーグの台北富邦戦でプレーするカール・タマヨ=4日、沖縄アリーナ

 Bリーグは8日、中断期間が明けてレギュラーシーズンの戦いが再開する。B1西地区の琉球ゴールデンキングスは38試合を終え、29勝9敗で地区2位につけている。高い強度の守備とインサイドの強さを武器にするキングス。地区6連覇、悲願のリーグ制覇を目指し、残り22試合をどのように戦うか、これまでの試合を振り返る。

■ビッグマン

 キングスの1試合平均の失点は、今シーズンこれまで72・6点と地区で最も少ない。どの選手が出場しても守備の強度が落ちない強みが出ている。特にリバウンドは、平均42・5とリーグ全体の1位となっており、攻守にわたってインサイドで強さがある。

 その中心選手がジャック・クーリーだ。リーグ最多456のリバウンドを誇り、守備で相手のセカンドチャンスの芽をつぶし、逆に攻撃ではセカンドチャンスをものにする。平均得点でクラブリーダーとなっている。そのクーリーに加え、ジョシュ・ダンカンやアレン・ダーラムの外国籍ビッグマンの存在も心強い。

■異なるタイプ

 さらに活躍が期待できる新たな2人のビッグマンも控える。リバウンドやブロック、ダンクシュートとインサイドで身体能力を生かす207センチの渡邉飛勇と、激しく体を当てるだけでなく、3点弾も得意とする202センチのカール・タマヨだ。異なるタイプのビッグマンが加ったことで攻守に選択肢が増えた。

 渡邉もタマヨも、チーム方針の理解が進めばさらなる力になる。ハンドラーである今村佳太は取材に、「チームとして幅が出る選手が来てくれた。良さをもっと引き出すことができると思う」と期待感を示した。

 2人の加入で、「3ビッグ」もできるようになった。天皇杯準決勝前に桶谷大HCは「自分たちのコンセプトを踏まえて、使い方を考えないといけない」と3ビッグのパワープレーだけでない戦い方を模索している。

■過密日程懸念

 今後の課題として避けては通れないのがターンオーバー(TO)の多さだ。チームの506(1試合平均13・3)はリーグ9番目、地区でも3番目に多い。特に連続得点できそうな場面や相手の連続得点を止めたい場面でTOしてしまい、流れを引き寄せられないことも多い。地区、リーグ制覇にはTOをどれだけ減らせるかにもかかっている。

 最近のキングスは過密な日程を過ごしている。1~5日には東アジアスーパーリーグ(EASL)で3試合をこなし、リーグ戦再開後の12日には天皇杯決勝が控えている。今季は田代直希、牧隼利、渡邉が負傷から復帰した。ハードな日程からけが人を出さないことも、試合を戦い抜く中では必要になる。

 現在、西地区は1位の島根から4位の名古屋Dまでが4ゲームの僅差にある。リーグ制覇を見据え、それぞれの試合で安定して勝利を積み重ねていくことが求められている。
 (屋嘉部長将)