いざ決戦、猛牛激突 第7回弥生闘牛ダービー 12日にうるま市・石川ドーム


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 【うるま】第7回弥生闘牛ダービー(古堅闘牛組合主催、琉球新報社共催)が12日午後1時、うるま市の石川多目的ドームで開かれる。結びの一番は重量級トップランカーのイーグル王に巨漢牛の金獅子が挑戦する。シーの2番では、元全島軽量級王者の源幸龍と伊波重機昭和53年生の好カードが実現した。シーの6番では8連勝の記録がある宝主成号の引退試合が組まれているなど、どの取り組みも目が離せない。また抽選会も予定され、軽トラックやミキサー1台分の生コン、50インチ大型テレビなどの豪華な景品が当たる。入場料は男性3千円、女性2千円、中高生千円、小学生以下は無料。(新垣若菜)

 

<シーの1番 イーグル王×金獅子>序盤から激しい攻防戦か

 

 

 現役重量級牛の中でも勝ち星が多い13勝1敗の好成績を誇るイーグル王に、巨漢牛で全島大会にも出場経験がある金獅子(元赤飯)が挑む。両牛ともに短期戦を得意としているだけに、序盤から激しい攻防戦が予想される。

 昨年から負けなしの6連勝と絶好調のイーグル王は、強烈な掛け技からの腹取り攻撃を得意とする。

 デビューから破竹の勢いで7連勝すると、2021年5月の全島大会の挑戦牛に選ばれた。惜しくも現王者の闘勢琥珀に敗れたものの、それが唯一の黒星で、その後は再び連勝街道を走る。

 昨年8月の大会では、体重差100キロもある全勝工業勝進龍に勝利。ことし2月に再び勝進龍と対戦したが、ものの16秒で圧勝した。

 対する金獅子は、恵まれた体を生かした掛け技から一気に腹取り攻撃を繰り出す「一発」がある大型牛。沖縄での戦歴は1勝3敗と振るわないが、唯一の白星は元重量級王者の新力號から、わずか1分2秒でもぎとったもので、実力はあなどれない。

 1年以上の休業をはさんでの復帰戦になるため、体力・気力ともに申し分ない。


 

<シーの2番 源幸龍×伊波重機昭和53年生>ファン熱望の因縁対決実現

 

 闘牛ファン熱望の取り組みが実現した。昨年11月の秋の全島大会で源幸龍の初防衛戦の相手として伊波重機昭和53年生が抜擢(ばってき)されたものの、足のけがにより直前で辞退。その後、源幸龍も王座を返上したため、取り組みがかなわなかった。

 軽量級の元徳之島全島王者で元沖縄全島王者でもある源幸龍。闘いには決して有利とは言えない真横に伸びた「ボーヌー」角にもかかわらず、相手の顔が真上に向くほどのカケ技からの押し込みで、短期戦で勝負を決める。この角のタイプは持久戦に持ち込み相手のスタミナ切れを狙うことが多いが、源幸龍は角を器用に使った積極的な攻撃スタイルが特徴。

 対する伊波重機昭和53年生(元ナチュラルパンダ)は「カケ技のスペシャリスト」「スピードスター」などの異名を持ち、カケ技から腹取りまでの一発の速さに定評がある。

 2020年から負けなしの5連勝で波に乗る。足のけがなどの問題を抱えていたが、休業期間をはさみ、復帰戦に臨む。


 

<シーの3番 田空×炎鵬>スピード持ち味 実力牛同士

 

 ともに全島大会への出場経験がある実力牛で、目下7連勝中の田空に復帰戦勝利を目指す炎鵬が挑む。

 田空は、フットワークを生かして一瞬の隙を突き、相手の懐に飛び込むスピード感ある攻撃が持ち味だ。カケ技からの押し込みの強さにも定評がある。直近は昨年5月の夏の全島大会で屋部白虎(現楚南白虎)のトガイ角に苦しめられながらも8分10秒で勝利している。

 対する炎鵬も、同じくスピード攻撃を得意とする。開き気味の角をうまく使い、腹取りを決めるなど強烈な「一発」がある。

 昨年11月の全島大会では、楚南白虎に強烈な押し込みからの腹取りを決め、わずか22秒で勝利している。直近はことし1月の大会で、葵冠に敗れているものの、それ以前は2連勝だった。


 

<封切り戦 しんちゃん×ありか>6年ぶり再戦に注目

 

 2017年以来の再戦となる。6年前の前回戦はありか(元赤獣王)がデビュー戦のしんちゃん(元真希龍)に6分13秒で勝利。経験を積んだしんちゃんが雪辱を果たすことができるかに注目が集まる。

 しんちゃんはフットワークの軽さを生かし、カケ技からの腹取り速攻を得意とする。昨年10月も別の牛と再戦の末に勝利しており、このまま勢いに乗りたい。

 対するありかは、戦歴豊富な強豪牛。ワリ技や柔軟さを生かした切り返しのうまさがある。直近は1月の新春闘牛大会で、ガマちゃんパンダに11分の激闘の末に勝利している。