キングス振り切る 田代、攻守でチームを救う 桶谷HC「選手がいい仕事した」 広島に86-78 第39戦


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琉球―広島 第2クオーター、ドリブルで攻め込むキングスの田代直希(右)=8日、沖縄市の沖縄アリーナ(小川昌宏撮影)

 プロバスケットボールBリーグ1部西地区2位の琉球ゴールデンキングスは8日、沖縄アリーナで広島ドラゴンフライズ(同地区3位)と今季第39戦を行い、86―78で勝利した。7連勝で通算成績は30勝9敗となった。前半、インサイドで攻めあぐねるキングスは今村佳太や岸本隆一の3点弾で得点を重ね、36―35で折り返す。後半もシーソーゲームとなったが、田代直希らが3点弾を決め、強度を上げた守備で点差を守り切った。次のリーグ戦は15日午後7時35分から、沖縄アリーナで名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対戦する。

 リーグ最多のリバウンドを誇るキングスだが、広島新加入の2メートル20のカイ・ソットを中心とした3ビッグへの対応に苦戦した。それでも、外からのシュートで得点を重ね、勝負どころでも決めて、最後は逃げ切った。

 ソットへはインサイドの大黒柱のジャック・クーリーがマークにつく。しかし、ソットとともにクーリーも外側へ寄せられてしまい、ゴール下でのリバウンドを広島に取られてしまう。さらに2Q序盤にクーリーがファウルトラブルとなり、ベンチに下がると苦しい時間が続いた。

 そんな中で、田代直希、今村佳太、岸本隆一らが3点弾を決め続けた。序盤には今村が2連続の3点弾で流れをつくる。

 第3Qには田代が厳しい体勢から3点弾を決めて、得点差を2桁に。最後は岸本が自身この日6本目の3点弾を決めて突き放した。マスクを着用し大声での応援が解禁されたブースターは何度も歓声を上げ、選手を後押しした。

 田代はB1通算300本目の3点弾も決めた。攻撃だけでなく、守備でも何度もキングスを救った。「ふがいないシーズンを過ごしているので順位が関わる試合で仕事ができてよかった」と語り、12日の天皇杯に向け「きょうみたいな試合ができたら、いい結果が残せる。楽しみながら優勝トロフィーを沖縄にもって帰ってきたい」と主将としての覚悟も見えた。
 (屋嘉部長将)


キングス 30勝9敗
 86―78(18―15,18―20,25―19,25―24)
広 島  28勝11敗

 【評】キングスはインサイドの守備を固められると、3点弾を32本中16本と高確率で決めた。ジャック・クーリーが高さのある広島の選手のマークについて攻撃に参加できず、ペイントエリアでの得点が止まる時間帯もあったが、徐々に守備を崩し、得点を重ねた。

出場選手がいい仕事

 桶谷大HC(キングス)の話 3ビッグ対策はしていたが、スタートで来るとは思っていなかった。東アジアスーパーリーグ(EASL)でいい経験ができたので、3ビッグにも選手が怖がらなかった。点差が開いていても縮まっていても、自分たちのリズムで試合を進められた。出場した選手がいい仕事をしてくれた。

3点弾止められず

 カイル・ミリングHC(広島)の話 全体的にタフなゲームだった。かなりいいリズムで試合をスタートできたが、ターンオーバーが響いてしまった。キングスの3ポイントが止められなかったことが痛手だった。リバウンドで勝てたことは自信になった。