「地域の子ども」住民同士で支援 ファミリーサポート事業、仕事と育児の両立に


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ファミサポ利用で仕事と私生活の両立をしている利用者の女性(左端)と、協力会員として18年続けている協力会員の女性(右端)=2日、沖縄市

 地域住民同士で登録し、子の一時預かりを担う「ファミリーサポートセンター」事業。仕事と育児の両立や、育児の息抜きなどさまざまな都合に合わせて活用できるため利用者からは「助かっている」という声が聞こえる。預かりを担う有償ボランティアの協力会員は、地域の子どもの成長を側面支援できる喜びなど、達成感を得られる意義を話す。

 小学2年の娘と2歳の息子を育てる利用者の女性(31)=沖縄市=は約2年、ファミサポを利用してきた。飲食業で働き、夫は米軍人。夫の職業柄、夫婦同伴の公式行事も多く、息抜きの外出をする時などにも利用してきた。自身の病気の時、通院のため子の預かり先が見付からず立ち往生する場合もある。「急な事情にも対応できるよう協力会員さんが増えてくれるとありがたい」と話す。

 沖縄市のファミサポで協力会員を18年続ける協力会員の女性(47)。ヘルパーの仕事をしながら「隙間時間」に活動してきた。「利用期間が長い家庭だと、子どもが卒業や就職を報告してくることもある」と、やりがいを語る。「サポートした親の『困り感なく子育てできた』と安心した表情を見た時にも、力になれてうれしい」と話す。

 本島中部で利用する女性(29)は現在育児休業中。県内出身だが、実家の支援を得るのは難しく、現在0歳の2人目が生まれたことを機に利用を始めた。夫の残業と自身の外出予定が重なった場合に帰宅するまでの預かりを依頼したり、2時間だけ赤ちゃんを見てもらい仮眠したりしている。「家族以外に頼れる人がいるのは本当に助かる。おかげで生活のバランスが取れる」と話す。

 職場復帰後は、さらに利用頻度は増える見込みという。ただ、過去には対応できる協力会員が見付からずに利用できなかった日も。「民間のサービスもあるが、価格を考えると日常的には利用できない。子育てはどうしても突発的な事情も多い」と話し、預かり体制の充実を望んだ。
 (島袋良太)