首里城南殿に大広間を復元へ 「琉球処分」宣言の場所 焼失前の資料展示室を活用 技術検討委


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首里城正殿(資料写真)

 国の「首里城復元に向けた技術検討委員会」は9日、2022年度第2回会合を沖縄総合事務局で開いた。焼失以前は資料の展示室だった南殿2階を畳敷きの大広間に復元する方針を決定した。面積は約200平方メートル。首里城内に以前はなかったイベントスペースとしての活用も見込む。

 南殿2階は琉球王朝時代、年中行事などの会場だったほか、明治政府の琉球処分官・松田道之が琉球の役人を前にして処分を宣言するなど歴史の舞台となった場所だ。

 南殿2階以外の北殿や書院・鎖之間、黄金御殿などは基本的に焼失前の仕様で復元され、南殿1階は以前と同様に美術品の収蔵庫として使用する。南殿2階に展示されていた資料は中城御殿に移すことも検討されている。
 (梅田正覚)