【深掘り】那覇市議会の副議長選挙、自民系2会派で対応分かれる 審議や選挙へ影響も


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
副議長選挙で投票する会派「自民党」の市議ら=13日、那覇市議会本会議場

 13日に実施された那覇市議会の副議長選挙で、会派「自民党」と公明は、自民党系の会派「自由民主」の粟國彰氏ではなく、「みんなの協働!」の上里直司氏に票を入れた。自由民主からは不満の声も聞こえ、今後の議会や選挙での協力体制に影響する可能性もある。

 自由民主は昨年、会派自民党から5人が抜けて発足した。会派自民党の吉嶺努会長は、粟國氏ではなく上里氏に投票した理由について「自民党という政党から副議長を出す場合、2会派が一つになる必要がある。自由民主に会派の合併を打診したが断られた」と主張。公明が上里氏を推す中、「粟國氏に投票すれば与党が共倒れになる」と判断したという。

 ある公明市議は、業者からの現金受け渡し問題で議長を辞職した久高友弘氏が、会派自民党出身であることから「自民から正副議長を出すのは厳しい」と話す。粟國氏は議長選でも出馬に意欲を示していたが、立候補を断念し、自公の候補が一本化された。これについても公明市議は「こちらが一本化をお願いしたわけではない」とする。

 会派自民党が協力しなかったことについて、自由民主の坂井浩二幹事長は「会派(自由民主)で一丸となって頑張る」と述べるにとどめた。だが自由民主の別の市議は、会派自民党側が主張する「一つの会派に戻れていたら粟國氏を推せた」という説明に、「分かれたばかりなのに戻れるはずがない。今後はこちらも強く出る。議会運営は厳しくなるだろう」と怒りをあらわにする。国政選挙での自公連携についても「ほかの議員は知らないが、私の支持者に公明への協力を依頼するのはやめる」と息巻いた。
 (伊佐尚記)