米軍基地に立ち入りか チョウ類研究者宅を捜査 沖縄県警


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沖縄本島北部の豊かな森の中にある東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場=2016年

 米軍北部訓練場に正当な理由なく侵入し、米兵のライフル銃をつかんだとして、県警が日米地位協定に伴う刑事特別法違反と窃盗未遂の疑いで、東村のチョウ類研究者の女性(45)の自宅を家宅捜索したことが15日、女性や関係者への取材で分かった。女性は琉球新報の取材に「基地内に入った認識はない。銃を奪おうとはしていない」と否定し、「県警の捜査は抗議活動を萎縮させるのが狙いではないか」と話した。

 女性は米軍北部訓練場返還地などに残留する基地由来の廃棄物に抗議する活動を続けている。

 関係者によると、2022年12月9日、東村の県道70号から数メートルほど入ったやぶの中で、訓練中の米兵複数人が武装した状態で談笑するなどしていた。

刑事特別法違反の疑いなどで家宅捜索する県警の捜査員ら=15日、東村

 女性は銃を所持したまま県道に出ないよう米兵らに抗議し、米兵の傍らに置いてあったライフル銃に触れた。その後、移動する米兵を追い掛けながら抗議を続け、施設内に立ち入った可能性があるという。

 県警は15日、東村の女性宅で家宅捜索を行い、パソコンや携帯電話など関係資料を押収した。

 県警は捜査に支障があるとして「詳細な回答は差し控える」としている。

 女性は本紙の取材に「銃を押さえ付けようとして一瞬つかんだが、すぐに米兵に振り払われた」と否定。基地内へ侵入したとされる件は「これまでに何度も入った場所。基地の境界を示す表示も何もなく、基地内に入った認識はない」と訴えている。