米軍「落下物のサイズ小さく、紛失判明に時間」 攻撃ヘリ部品落下 沖縄県は管理徹底を要請


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会見で記者の質問に答える玉城デニー知事=17日午後、県庁(喜瀬守昭撮影)

 米軍普天間飛行場所属のAH1攻撃ヘリから火薬類を含む部品が落下した事故について、県は17日、在沖米海兵隊や沖縄防衛局に対して、原因究明と安全管理の徹底、事故発生時の迅速な通報の徹底を口頭で申し入れた。県によると、申し入れに対して、海兵隊で対応したティモシー・モレロ政務外交部次長は「落としたもののサイズが小さかったために、紛失が分かるまでに相当の時間がかかってしまった」などと説明した。

 玉城デニー知事は17日の定例会見で「現在まで被害は確認されていないが、飛行機からの部品落下事故は県民に大きな不安を与えるものだ。少量とはいえ、火薬類を含んでおり、決してあってはならない」と強調した。その上で、県民に対して、落下した部品を発見した場合、触らずに警察や沖縄防衛局へ連絡するよう求めた。

 県によると、沖縄防衛局から県への通報が、米軍が部品の逸失を判明してから7時間後だったことについても、玉城知事は「一刻も早い通報が必要だった」と指摘し、通報体制を疑問視した。

 海兵隊は取材に対して「(部品の紛失は)飛行後の機体の点検、パイロットおよび整備士との確認により判明した。飛行経路は沖縄本島南部付近で、ほとんどが水面上であり、乗務員は機体からデバイス(装置)が離脱するのを確認していない」などと説明した。

 沖縄防衛局の発表によると、AH1ヘリから落下したとみられる部品は、脱出、安全システムに関わる円柱状の小型装置で、重さは40グラム。火薬類のTNT(トリニトロトルエン)が4・5グラム含まれているという。米軍は15日正午から午後6時にかけて、沖縄本島南部周辺の海上や陸上を飛行していたが、16日正午ごろの点検で装置がなくなっていることが判明した。
 (池田哲平)