
【与那国】与那国町の糸数健一町長が昨年9月、台湾有事の際の国民保護などの観点から、与那国空港の滑走路拡張や港湾の新設を国に要請していたことが17日、分かった。現在2千メートルの空港滑走路を西へ500メートル拡張して2500メートルにするほか、島の北側にある祖納港に代わり、南側の町比川に港湾を整備することを求めた。
一度に多くの人数や物資を輸送できるようにすることが目的。町は滑走路を500メートル拡張することで、現在より大型のジェット機の発着を図りたい考え。港湾については、県管理の祖納港は北側に面して北風の影響を受けやすく、通年の開港が困難となっている。そのため、風の影響を受けにくい島の南側に港湾整備をしたいとしている。
糸数町長は昨年9月に上京し、同12日に自民党政調会長の萩生田光一氏、同26日に経済安全保障担当相の高市早苗氏に要請書を手渡した。両氏から前向きな返答があったという。
与那国町の担当者は「住民生活の利便性向上や、観光客増につなげたい」とした上で、有事の際には住民を守る観点から「一度に多くの島民を避難させることができる」との見解を示した。
(照屋大哲)