島を離れる「15の春」 最後にクルーズで思い出 クジラにも遭遇、歓声あがる 沖縄・伊江中3年生


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島のシンボル、城山を背景に伊江島一周クルージングの記念撮影をする伊江中75期の卒業生=11日、伊江村営のフェリーぐすく

 【伊江】島に高校がなく親元を離れる「15の春」を前に、楽しい思い出をつくってもらおうと、伊江村立伊江中学校(玉城学校長)の第75期卒業生35人と保護者、職員らは卒業式を終えた11日午後、村営のフェリー「ぐすく」で伊江島一周クルージングを楽しんだ。

 クルージングは卒業生の保護者が企画した。村の協力を得て今回で3回目。フェリーは東周りのコースで、伊江港と本部港を運航する通常の半分程度の速度で航行。天気にも恵まれ、普段見ることのない島の反対側の景色や島のシンボル城山(ぐすくやま)の風景などを堪能し、写真に収めた。船内では謝恩会も行われ、先生方のあいさつや定年退職を迎える玉城校長と竹内裕教諭に、生徒たちから感謝の言葉を寄せたメッセージボードが贈られた。

 謝恩会の司会を務めた生徒は「このような体験は島でしかできない最高の思い出。これまで育ててきてくれた両親や先生方に感謝し、仲間との時間を大切に過ごしたい」と話した。

 約2時間のクルーズを満喫し、帰港する伊江港の沖合でクジラに遭遇。生徒たちから歓声が上がり、卒業を祝福しているようだった。到着後、フェリーの船員にお礼をし、貴重な時間を過ごした生徒たちに笑顔が広がった。