沖尚、知花が反撃の芽を摘む 捕手起用、強肩生かす センバツ高校野球


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大垣日大―沖縄尚学 3回表、捕邪飛を好捕する沖尚の知花慎之助(ジャン松元撮影)

 1点差の接戦を勝ちきった沖縄尚学。少ない好機で打線がつながったことが大きかった。

 仲田侑仁が満塁弾を放った三回裏は下位打線から始まった。先頭の8番糸数幸輝が単打で塁に出ると犠打で進塁。1番知花慎之助が追い込まれながらも、しぶとく左前にはじき返した。調子を落としてスタメンから外れた主将の佐野春斗に代わって2番を務めた大城龍紀はバントヒットで出塁し、つなぎ役としてしっかり務めを果たした。

 昨秋の公式戦のチーム打率が4割7厘と選抜出場校トップの強打を誇る。四回以外は、130キロ台の直球で押す相手に散発したものの、八回までに二桁の10安打を記録し、攻撃力の強さを示した。

 守りではこれまでの中堅から捕手で起用された知花の活躍が光った。秋大会に7割台の打率でチームを引っ張った打撃は4打数1安打、2三振と振るわなかったが、八回に強肩を生かして走者を刺し、相手の反撃の芽を摘んだ。

 知花に攻守両面での活躍を期待する比嘉公也監督は「もっとできると思っている」とさらなる奮起を促した。

(謝花史哲)


川満、窮地救う 好捕で併殺完成

1回表、ゴロをさばく沖尚の川満渚生(左)(ジャン松元撮影)

 三回まで被安打1で力投していた東恩納蒼が先制点を挙げた直後の四回表につかまった。野手の失策もあり、1点を返され、さらに1死一、二塁と、ピンチが続いたこの場面。三塁手の川満渚生が球際の強さ見せ窮地を救った。

 三塁線よりに低くはじき返されショートバウンドした打球を、バックハンドで捕球。がっちりと握りしめて自ら三塁を踏み、すぐさま反転して一塁に送球して併殺に仕留めた。

 九回で逆転負けした明治神宮大会は「1球の大切さ」が身に染みた。この日も失策を出してしまった野手陣。次戦こそ堅実な守備でリズムをつくる。

(謝花史哲)


 第95回選抜高校野球大会が18日、甲子園球場で開幕した。開会式に続いて1回戦が行われ、第3試合で沖縄尚学は大垣日大(岐阜)に4―3で競り勝ち、2回戦に進出した。沖尚は三回、仲田侑仁が満塁の好機に大会第1号となる本塁打を放ち先制の4点を挙げた。四回に1失点、六回には失策が絡んで2失点と1点差まで詰め寄られたが、先発の東恩納蒼が踏ん張り、七回以降は零点に抑えて大垣日大の反撃を振り切った。2回戦は第7日の第1試合(午前9時開始予定)でクラーク記念国際(北海道)と対戦する。第1日は、沖尚のほか山梨学院、高知が2回戦に進んだ。山梨学院は東北(宮城)に3―1で勝った。林が5安打に抑えて完投。高知は二回に逆転の2点適時打を放った辻井が、投げても八回途中1失点の好投を見せて北陸(福井)を4―1で下した。今回は5年ごとの記念大会として、例年より4校多い36校で争われる。決勝は31日の予定。