12キロ車いすで上与那原、山入端が優勝 いとまんトリム


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12キロ車いすコース男子 1位でフィニッシュする上与那原寛和=19日午前、糸満市の西崎運動公園(喜瀬守昭撮影)

 【糸満】第3回いとまん平和トリムマラソンは19日、糸満市西崎陸上競技場を発着点に開催され、競技部門の12キロ車いす男子は上与那原寛和(沖縄市)が32分46秒、女子は山入端依子(同)が37分6秒で優勝した。

 12キロ車いすは18人(うち女性は1人)が出走し、13人が完走した。完走率は72.22%だった。

上与那原 さすがの走り

 競技用車いす男子は東京パラリンピックT52の400メートル、1500メートル銅メダリストがさすがの走りで制した。上与那原寛和は「もう少し周りをけん引できればよかったが、自分的には満足」と白い歯を見せた。

 晴れた空の下、東京パラでも使用した赤いレーサー(競技用車いす)に乗り、12キロのコースを駆け抜けた。折り返し地点は向かい風を受け「速度を上げれば上げるほどきつかった」と振り返る。沿道からの声援が力になった。

 競技用車いすでは県内最長の12キロを走るいとまん平和トリム。上与那原の呼びかけで1988年のソウルパラに出場した冨川文男(71)=山口県=らも駆けつけて走った。

 上与那原は前身大会で2018年に終了した「なんぶトリム」から続けて参加している。「楽しい大会を続けてもらうためにも、県外にもアピールして車いすの参加者も増やしてほしい」と話した。
 (比嘉璃子)

仲間と“共走”37分台を達成 女子・山入端

12キロ車いすコース女子 優勝の山入端依子=19日午前、糸満市の西崎運動公園(喜瀬守昭撮影)

 車いす12キロ女子1位の山入端依子は目標の40分を切り、37分台でゴール。コンディションも良好で、「向かい風が少しきつくてタイムが落ちたところもあるが、メンバーと楽しく走れた」と破顔した。

 いつも一緒に練習している仲間らと3人で、風よけのため先頭をローテーションしながら良いチームワークを発揮して完走した。

 第1回大会にも出場。久しぶりに沿道の声援を浴び「余裕はなかったが、力になる」と手を挙げて応えた。

 車いす12キロの制限時間は1時間。「もう少し制限時間を延ばしてもらえたら、頚髄損傷などの人でも楽しく一緒に参加できる」と話した。
 (中村優希)