キングス4連勝 TKbjリーグ第11戦


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キングス―福岡 第4クオーター、相手守備に立ち向かいながら攻め込むドゥレイロン・バーンズ=7日、沖縄市体育館(花城太撮影)

 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区1位=8勝2敗)は7日、沖縄市体育館でライジング福岡(同7位=5勝5敗)と今季第11戦を行い、84―67で勝利、連勝を4に伸ばした。第1クオーター(Q)は金城茂之や岸本隆一、山内盛久が外からリングを射抜き、インサイドを切り崩して得点する福岡を上回った。第2Qの序盤はアンソニー・マクヘンリーを中心に攻めるキングスが優位に立ったが、残り5分すぎから得点が止まり、内外からシュートを決める福岡に逆転された。34―39で迎えた第3Qは福岡がインサイドの外国籍選手を中心に得点を重ね、キングスは一時10点のリードを奪われた。それでもドゥレイロン・バーンズが内外から粘り強く得点。第4Qは喜多川修平の3点弾などが決まって逆転すると、福岡をわずか6点に抑えて勝利を手にした。福岡との第2戦は8日午後6時から同体育館で行われる。(観客3021人)

琉球ゴールデンキングス(9勝2敗)
 84―67(19―14,15―25,22―22,28―6)
ライジング福岡(5勝6敗)

 【評】第4Qに攻守で圧倒したキングスが福岡に逆転勝ちした。第1Qは外角シュートが好調なキングスがリードし、第2Qは福岡の勢いが増して逆転した。第3Qはインサイドで点を重ねる福岡に対し、キングスはバーンズが要所で得点した。第4Qはキングスが福岡のインサイド攻撃を徹底的に抑え、内外から効率よく得点してリードを広げた。福岡は第3Qまでの勢いを最後まで維持できなかった。(平安太一)

◆理想に近づいてる
 伊佐勉監督(キングス)の話 準備したことを40分、やり通せた。キングスがやりたいバスケの理想に近づいている。前半リードされたのは僕の采配ミスで選手は悪くない。第3Qまで選手がやるべきことを徹底し、相手の体力が落ちた第4Qに爆発することができた。

◆戦える手応えあった
 森山知広HC(福岡)の話 第4Qにビッグクオーターをつくられたことが、もったいなかった。沖縄のプレッシャーが増してインサイドを押し切ることができず、シューター陣の3ポイントの確率も低かった。戦える手応えもあったので明日は修正したい。

◆後半に流れ 一気の逆転
 逆転劇の原動力になったのはホームの大声援だった。5点ビハインドで迎えた第4Q。勝利を願うファンの熱気がコートを包み込み、伊佐勉監督は「(会場が)一つになる瞬間があった」と言う。力を増した守備で福岡をわずか6点に押さえ込み、28点を奪って試合をひっくり返した。
 我慢強く、勝負の時を待っていた。アウトサイドシュートが好調だった第1Qから一転して、第2Qはシュートがことごとくリングにはじかれた。「タイムシェア(出場時間の共有)をしたけど、選手が乗り切らないままベンチに下げてしまった」と伊佐監督は反省する。第3Qには一時10点のリードを許したが、キングスは大崩れすることなく踏ん張った。
 「一本一本、しっかり返していこう」と喜多川修平は心に決めていた。バーンズは「チームのために(点を)取り返そう」と劣勢にも気持ちを切らさなかった。
 第4Q、バーンズからアシストを受けた喜多川が連続で3点弾を沈めると、流れは一気にキングスに傾いた。喜多川は「ファンが後押ししてくれた」と、ほおを緩めた。
 苦しい展開をはじき返すしぶとさ。最後まで自分たちのバスケを貫く集中力。そして、ファンの力。すべてがかみ合ってつかんだ勝利に、伊佐監督は「手応えを感じている」。まだまだ課題があることも確かだが、キングスは目指しているバスケを形にしつつある。(平安太一)