パインやマンゴー使用、特産品をパンに 地域と連携し新たな沖縄名物を模索 沖縄・本部、美ら島ファーム


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ジンベエパンを製造するゆいとぴあの利用者ら=2月27日、本部町崎本部

 【本部】パイナップルなどを生産する本部町の沖縄美ら島ファームは、北海道のパン製造業者フーズアンドブレッドと共同開発したスイーツやパンを発売している。就労継続支援事業所パン工房ゆいとぴあも製造に協力しており、他業種間の連携による新たな沖縄名物の開発、製造の模索が進んでいる。中小企業同士が組んだプロジェクト支援する、県の「稼ぐ企業連携支援事業」の補助を受けた。

 新たに売り出したのは「沖ドラ(沖縄どら焼き)」と「美らサダ(美ら海マラサダ)」。北海道産の牛乳を使用したパンに、パインの高級品種ゴールドバレルやマンゴーなどの沖縄のフルーツ、バニラアイスを挟んだ。「美らサダ」の生地には紅芋パウダーも使用されている。このほか、「ジンベエ紅芋パン」「黒糖カメロンパン」などの沖縄美ら海水族館に関連するキャラクターパンも開発、販売している。

沖縄と北海道の素材を使ったスイーツ(左から)「沖ドラ」と「美らサダ」(沖縄美ら島ファーム提供)

 パン生地は、牛乳だけで練り上げられている。冷凍での長期保存も可能なように工夫されてている。沖ドラや美らサダは外はカリッと香ばしく、内はふわふわと柔らかい食感になっているという。

 キャラクターパンは、旧崎本部小学校跡地にあるゆいとぴあの工房で、利用者らの手によって製造されている。パンの製造はこれまでは地域の福祉施設向けが主だったが、観光客向けの商品は初めてだという。ゆいとぴあの上間忍所長は「利用者が作ったものが沖縄の名物として並ぶのはありがたいことだ。大きな一歩になった」と語る。

 渡名喜朝之代表は「個々人で事業をするだけでなく、地域内の他業種が連携することで新たな商品を生み出すことができる。今回の取り組みが地域内の連携を促進し、経済活性化につながれば」と今後の展望に期待した。「沖ドラ」と「美らサダ」はいずれも750円。美ら海水族館内のカフェ「モーレマーレ」で販売している。キャラクターパンも500円で同水族館内で敷地内で販売中だという。
 (長嶺晃太朗)