平良孝七展の図録に誤記載 県立博物館長が謝罪「調査研究が不足」


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平良孝七展の図録の訂正と販売停止を求める「修正を求める会」の小橋川共男さん(左から2人目)、平良孝七の妻・芳子さん(同3人目)ら=20日、那覇市の県立博物館・美術館

 沖縄県立博物館・美術館(田名真之館長)で1月15日まで開催された平良孝七展の図録に「誤りがある」として、写真家らでつくる「平良孝七展の修正を求める会」が20日、同館に訂正と販売停止を求めた。図録は同館などが制作し、1月に発行された。田名館長は「調査研究に不足があり、申し訳ない」と謝罪した。

 同展は第1章が沖縄革新共闘会議が編集した1970年の写真集「沖縄 百万県民の苦悩と抵抗」からの複写展示となった。図録が第1章の写真を「すべてが平良孝七によるもの」としていることについて、同会は「誤り」と指摘した。

 10日に同会が開いたシンポジウムで、69年の全沖縄軍労働組合(全軍労)ストライキの写真について、石川元平さん(元沖教組委員長)が「撮影した」と証言している。

 田名館長は「違う方の写真が入っていたとの指摘に、徹底して調べるべきだった。復帰50年を機に平良孝七を顕彰したいと考えたにもかかわらずこういう形になり、申し訳ない」と述べた。

 平良孝七の妻・芳子さんも同席し「真実を確かめることなく図録に掲載するのは平良への侮辱だ」などと発言した。
 (宮城隆尋)