宮森小米軍ジェット機墜落、漫画で語り継ぐ 630会が制作へ、高校生もサポーターに 沖縄・うるま


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高校生サポーターにジェット機墜落事故について伝える石川・宮森630会の久高政治会長(左)=15日、うるま市の石川高校

 【うるま】1959年6月30日、米軍ジェット機が沖縄県の石川市(現うるま市)に墜落し、死者18人を出した宮森小米軍ジェット機墜落事故。発生から65年の節目を見据えて、事故を語り継ぐ「石川・宮森630会」が漫画の制作に向けて動き出している。15日には、サポーターとなった石川高校生5人に事前学習会を開いた。同会の久高政治会長は「若者も参加してより広い世代に関心を持ってもらいたい」と話した。

 630会はこれまで、体験者の証言集や米公文書の翻訳資料集などを出版してきたが、文字が多く気軽に手に取れない課題があった。久高会長が「マンガで伝える沖縄戦」(琉球新報社刊)の新聞広告を見て「戦争について広く知ってもらう一つの方法だ」と着想を得た。
 

石川・宮森630会によるマンガ制作を手伝う石川高校の生徒ら=15日、うるま市

 内容は事故の後遺症で亡くなった新垣晃さんに焦点を当て、小説家の嘉陽暁美さん=沖縄市=に原作の執筆を依頼した。陸上選手だった新垣さんは石川高校を卒業し、体育の教師を目指して琉球大学に進学した。事故で負った大やけどのため汗腺が機能せず内蔵がむしばまれ、23歳で亡くなった。

 サポーターになったのは、石川高のチャペル蒼空さんと謝花英偉士さん、小渡健斗さん、神山竪利さん、玉城慧心さんで、全員が16歳。新垣さんの人柄を浮かび上がらせるため身近にいた人を取材し、原作者の嘉陽さんに情報を提供する。

 玉城さんは「生まれ育った石川の歴史を学べるかもしれない」と参加を決意した。玉城さんと一緒に参加を決めたチャペルさんは「これからじっくり本を読んだり、インターネットで調べたり、疑問に感じたことを聞いたりして情報を収集したい」と意欲を見せた。

(古川峻)