高校ハンド 女子は浦添、男子は北中城が初優勝 KBC杯


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試合終了間際に決勝ゴールを決め、ガッツポーズで喜ぶ新垣陽咲(中央)=19日、沖縄市体育館(又吉康秀撮影)

 ハンドボールの第13回KBC学園杯争奪第47回県高校春季ハンドボール選手権大会の最終日は19日、沖縄市体育館で行われた。女子決勝は浦添が那覇西に25―24で競り勝ち2連覇を達成した。男子決勝は北中城が那覇西を21―19で下し、大会初優勝を飾った。3位決勝戦は女子が首里、男子は那覇国際が勝利した。

 同点に追い付かれて試合時間残り1分。浦添は相手GKが投げた遠投を主将・比嘉菜々美がパスカットし松田菜々につないだ。松田からラストパスを受けたエース・新垣陽咲がシュートをゴール下に沈めると、浦添メンバーの歓喜の声が上がった。残り2秒での決勝点。勝利の女神は、前回大会王者の浦添にほほ笑んだ。

 1点をせめぎ合う試合だった。浦添は那覇西GK・志良堂心優の堅守を前に攻めあぐねた。ノーマークシュートや速攻が阻まれ、後半20分までは那覇西に先行を許す試合展開に。松田や金城彩佳のシュートで逆転するも、相手も応戦。少しのミスが勝負を分ける展開だった。

 25―24のロースコアをものにしたが、2月の全国高校選抜大会九州地区予選では、残り10秒で相手チームに同点を許し延長戦で惜敗、全国出場を逃した。「状況が似ていたので、ちょっと怖かった」と比嘉。それでも「あの時の悔しさをバネに練習してきた。自分たちを信じてプレーした」と話す。

 今大会は、浦添で7年間指導してきた神谷綱史監督異動前最後の試合でもあった。「有終の美を飾ってあげたかった」と新垣。決意を胸に戦った試合後、チームは神谷監督に花束を贈り、胴上げで感謝の思いを伝えた。
 (高橋夏帆)

北中城、守備強化が奏功

 最近の5試合で全て負けを喫していた那覇西から勝利をつかみ、大会初優勝を飾った北中城。主将の大城佳吾は「とにかくうれしい」と喜びをあふれさせた。

 前回対戦した九州高校選抜大会県予選決勝では、那覇西の石原直弥に大量得点を許していた。そのため、那覇西に自由な攻撃をされまいと、「攻撃的なディフェンス」の3―2―1守備の布陣を強化。新垣翔をトップDF、大城をセンターバックに置いた守備が奏功した。新垣が相手オフェンスをけん制して攻撃を外に逃がし、シュートをサイドとロングに絞らせた。石原の得点も3点に抑えた。

 新川一郎監督は「もともと声も出さないようなおとなしいチームだったが、細かく声を掛け合って那覇西の攻撃を抑えていた」と成長を喜ぶ。大城は「全国大会を狙えるチームになる」とさらなる飛躍を目指す。
 (高橋夏帆)