【宜野湾】宜野湾市大謝名の小道を通ると、鉢からあふれんばかりに花をつけた鮮やかなツツジに目を引かれる。仲里慶子さん(80)が米のとぎ汁をかけたり、日当たりの調整のために鉢を回したりと手塩にかけた花たちだ。20年前に新車購入のお礼にと自動車販売店からもらった小さな鉢のツツジは今や庭の“主役”へと成長した。
「満開のツツジにアイラブユーって感じよ」と仲里さん。大きなハート型の花びらが密集した生命力の強い慶良間ツツジが特に好きで、「島んちゅぬ宝でしょ。大事に育てたい気持ちにさせられる」と強調する。
愛情のかけ方は人一倍だ。栽培用の土にもこだわり、新芽の時は芽出し肥料、葉を増やす時には窒素肥料を与えている。朝晩の水やりはもちろんのこと、成長過程に欠かせないのが米のとぎ汁だという。カルシウムを含むため根が強くなると言い「人体と一緒。足腰は強くなきゃ」と力を込める。
大きな花に加え、どの角度から見ても均等に花がついているのは日当たりの調整に気を遣っているから。毎月1日と15日に鉢の回転を忘れない。また、鉢を地面に直接置いているため地熱で弱らないように、水やりは地面から始めて熱を冷まして鉢にかけるという徹底ぶり。「鉢はこつもいるし、きれいに咲かすというのは意外と大変なのよ」と楽しそうに笑う。夫の敏一さんが知人らを招いて、ツツジを自慢することも。
仲里さんによると、丁寧に愛情をかけた分だけ応えてくれるというツツジ。「自身で研究を重ねて楽しみながらぜひ育ててみてほしい。皆さんの庭のツツジがきれいに咲くとうれしいです」と話した。
(新垣若菜)