手りゅう弾の一部や兵服のボタンも…ガマで沖縄戦追体験 平和ガイドが学習会 糸満市摩文仁


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県平和祈念資料館友の会の仲村真事務局長(左)から説明を受ける参加者ら=12日、糸満市摩文仁

 県平和祈念資料館友の会は12日、「摩文仁丘陵の深部を行く」をテーマに、沖縄戦の平和ガイドなどを対象とした平和学習フィールドワークを糸満市摩文仁で開いた。フィールドワークには約30人が参加し、日本兵や住民が避難していたガマや岩穴などを約5時間ほどかけて巡った。

 険しいコースの途中には手りゅう弾の一部や弾丸の薬きょうなどが残っていたほか、ガマでは日本兵が着用していたとみられる衣服のボタンなども見つかった。参加した南風原平和ガイドの会の井出佳代子会長(62)は「戦中は草木もなく、今歩くよりも住民や日本兵は怖かったと思う」と当時に思いをはせた。

 友の会の事務局長の仲村真さんによると、同会による摩文仁丘陵でのフィールドワークは初めてで、今回設定したルートはこれまで遺骨収集団以外、ほとんど人が立ち入っていない場所だという。そのため仲村さんらが事前に草を刈るなど、約2カ月ほどかけて安全なコースを整備した。仲村さんはガマの崩落など「(沖縄戦の)残像を振り返ることができる場所が少なくなってきている」と話した。
 (武井悠)