アスティーダ張本、Vマッチ圧倒 カルデラノに雪辱果たす プレーオフファイナル 東京に3-2 卓球Tリーグ


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琉球―東京 ビクトリーマッチ 積極的に攻める琉球の張本智和=23日、東京都の代々木第二体育館(大城直也撮影)

 琉球アスティーダが王座奪還―。卓球ノジマTリーグの琉球アスティーダは23日、東京都の代々木第二体育館で木下マイスター東京との男子プレーオフファイナルに挑み、ビクトリーマッチの末に3―2で勝利し王者に返り咲いた。2020―21シーズン以来、2度目の頂点をつかんだ。第1マッチダブルスの吉村真晴・吉村和弘が2―1で大島祐哉・篠塚大登に勝利。第2マッチシングルスの濵田一輝は1―3で及川瑞基に敗れ、第3マッチシングルスの張本智和も0―3のストレートで篠塚大登に敗れて2連敗。第4マッチシングルスの吉村真晴は3―2でウーゴ・カルデラノを退けて1ゲームで勝負を決するビクトリーマッチにつなぐと、張本が11―4でカルデラノに勝利した。5季目となる今季は9月11日に開幕。4チームで各21試合を行い、上位2チームがファイナルに進んだ。

 負けたままでは終わらなかった。ビクトリーマッチに指名されたのは、第3マッチシングルスでストレート負けを喫していたエースの張本智和だ。バックレシーブが本調子でなく、いまいち歯車がかみ合わなかった。フォアで得点を重ねたが、最後までバックの精度を取り戻すことができずにいた。「一番大きな舞台でとんでもないことをしてしまった。自分が大嫌いになった」と、ビクトリーマッチではくすぶる気持ちを力に変え、一球一球にたぎる思いを込めた。

 1ゲームで勝敗を決するビクトリーマッチまでもつれ、会場の国立代々木競技場・第二体育館は熱気に包まれた。相手はレギュラーシーズン昨年12月の試合で、同じくビクトリーマッチで敗れたウーゴ・カルデラノだ。張本は序盤から落ち着いたプレーで丁寧なレシーブに徹した。相手コートの真ん中気味に返し、ミスを誘う形がはまって4連続得点と優位に立った。ここぞの場面ではフォアの強打を打ち込み、シングルスで不調だったバックの調子も取り戻していった。

 最後は11―4で締めてチームに優勝をもたらした。「(ビクトリーマッチにつないでくれた)真晴さんが立ち向かう姿を見て力が湧いた。つないでくれたからこそ王座奪還ができた。来年以降も連覇を目指す」と力強かった。
 (大城三太)