うるま市選管「真摯に受け止める」 県選管の裁決に異議申し立てせず 市議選当選無効


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取材に応じる市選挙管理委員会の比嘉弘之委員長(右から3人目)=24日、うるま市役所

 昨年10月の沖縄県うるま市議選の開票事務を巡り、県選挙管理委員会の票の数え直しで最終当選者の当落が入れ替わる可能性が出たことについて、うるま市選管の比嘉弘之委員長は24日の委員会で「真摯(しんし)に受け止めている」と述べ、県選管の裁決に異議を申し立てない意向を示した。市選管は原因について「判別できていない」としたが、幾度もの目視チェックをすり抜けた事実を認め、関係者への謝罪を述べた。再発防止のため、開票時の人員増や作業内容の変更などを検討しているとした。

 2014年の市議選でも審査申し立てを受けて県選管が票を再検査し、票数が変動したことがあった。報道陣の取材に比嘉委員長は「あってはならないことなので、さらに細かく点検し、二度と起こらないようにしたい」と述べた。

 選挙の信頼が揺らぐ事態となったことの認識について問われると、「市民一人一人が投票した選挙が間違っているとされた。反論もできない」と声を落とした。当選だった可能性がある伊礼正氏の議員報酬の補償について、比嘉委員長は「最終的に選挙結果が覆るまで、どうするかは今のところ考えていない」とした。

 県選管の裁決が県公報に告示されたことを踏まえ、市選管は24日午後に委員会を招集した。

 ただ、委員会は約30分で終了し、そのうち約25分は県選管の裁決文書を読み上げただけだった。委員から質疑は出なかった。比嘉委員長は謝罪はしたが、責任者の処分などへの言及はなかった。

(古川峻)