【記者解説】うるま市議選の当選無効、有権者の意思は反映された?選挙の信頼性落とす結果に


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うるま市役所(資料写真)

 沖縄県選挙管理委員会は、うるま市議選で最下位当選者の当選を無効とする裁決を出した。選挙結果に変動があるかは決まっていない。ただ有権者の意思が正しく反映されていなかったおそれがある事態を招いたことは事実で、選挙の信頼性を落とす事案だと言える。

 うるま市選管は昨年12月に次点候補者の異議申し立てを棄却した。最下位と次点の有効投票数が2票差だったことを考えれば、市選管としても再集計など慎重な審査が求められたのではないかとの批判は避けられない。

 当選が無効とされた候補者は職を辞して議員活動をしており、その人生を左右している状況だ。

 県内では深刻化していないとはいえ、全国的には地方政治家のなり手不足が叫ばれる。その中で、政治を志す人物に無用な懸念を与えることは避けなければならない。

 再発防止のため選挙事務を改めて見つめ直し、改善することが行政には求められる。

(大嶺雅俊)