キングス、接戦勝ち切る 仙台に75-73 小野寺の守備、勝利呼ぶ 第44戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部西地区2位の琉球ゴールデンキングスは25日、沖縄アリーナで仙台89ERS(東地区6位)と戦い、75―73でオーバータイムまでもつれ込んだ接戦をものにした。12連勝で通算成績は35勝9敗となった。

 前半、キングスは第1クオーター(Q)の出だしで、8点連続で取られた。仙台の守備でキングスの得点が伸び悩むも今村佳太の3点弾などが決まり、26―34で折り返した。後半に入ると小野寺祥太を中心とした激しい守備から流れをつくり、第3Q終了間際にアレン・ダーラムのシュートで追いついた。第4Q、仙台が連続3点弾で逃げ切ろうとするも、終了間際にダーラムの得点で追いつく。オーバータイムにもつれ込んだが、最後は岸本隆一の3点弾で勝利を引き寄せた。

 キングスの次戦は26日午後6時5分から、沖縄アリーナで仙台と対戦する。

キングス 35勝9敗
 75―73(12―18,14―16,24―16,14―14,延長11―9)
仙台 15勝29敗

 【評】仙台の強度の高い守備で序盤得点が伸びなかったが、キングスは守備からリズムをつくって、流れをつかんだ。ゴール下のジャック・クーリーを徹底的に止められた中で、小野寺祥太を中心に積極的なマークで相手のボールの動きを止め始めた。その間に得点を重ね、ジョシュ・ダンカンや岸本隆一が勝負どころで3点弾を決めた。一方、ターンオーバーが18と多く、それが失点につながる場面も多かった。


 

琉球―仙台 第4Q、激しくボールを競り合うキングスの小野寺祥太(左)=25日、沖縄市の沖縄アリーナ(喜瀬守昭撮影)

 互いの強度の高い守備がぶつかり合った試合は、キングスの守備の職人ともいえる小野寺祥太が劣勢の流れを変えて、勝利を呼び込んだ。試合後、桶谷大HCは「小野寺が頑張ってくれて、自分たちに魂を入れてくれた。小野寺に勝たせてもらった」と観客の前で褒めちぎった。

 前試合でリーグ連勝記録を更新していた千葉ジェッツを止めた仙台が、勢いそのままにキングスを追い詰めた。前半から単調な攻撃となったキングスの得点は伸びず、その悪い流れはターンオーバーも誘発、守備にも影響した。

 8点リードされた第3Qに、小野寺はより前から激しい守備を仕掛ける。スチールを奪って得点につなげた。コート外に出るボールを追いかけ、観客席まで突っ込むハッスルプレーも見せる。積極的な守備に観客も声援を送り、その好影響はチームメイトにも広がり、全体として守備の強度も上がった。

 得点などの成績には残らないプレーでこれまでもチームの窮地を救ってきた。うまくコートで自分を表現できず悩んでいたこともあった。それでも「(22日の)京都戦に続き、いい守備を表現できた。守備で流れを変えられるというプライドをもってやっていきたい」と次戦でも守備からチームを鼓舞していく。

(屋嘉部長将)


リズム悪い攻撃した

 桶谷大HC(キングス)の話 第1Qは仙台のプレッシャーに対して自分たちのリズムの悪い攻撃をしてしまったかなと思う。共通理解がない攻撃が多かった。3Qから小野寺が入って、ハードに守備をしてくれた。あと、ブースターさんの声で、フリースローを落とさせてくれた。この勝利にそういう力はすごく大きかった。
 

質は自分たちが上

 藤田弘輝HC(仙台)の話 選手たちが45分間、ファイトしてくれた。正直、単純に相手がシュートが入っただけの試合だと思う。泣きたいぐらい、悔しいけれど、バスケットの質は僕らの方が上だったと僕たちは自信を持っていいと思う。その自信をしっかり持って、ひるまずにチームでファイトしたい。