初戦で先発を外れた主将の佐野春斗が2安打1打点を記録し、復調ぶりを示した。9番に入って三回先頭の第1打席は左前打で出塁、先制の本塁を踏んだ。2―0で迎えた六回には得点圏に走者を置いて中前に運び、欲しかった追加点につなげた。
現地入りしてからの強化試合は3戦いずれも結果を出せず。「攻守でやることができなかった。引いてばかりだった」。調子の悪さから1回戦はスタメン落ち。チームの勝利はうれしかったが、個人的には悔しさが大きかった。
積極性に欠けていたことを気づかされ、この日まで「覚悟を決めて1球を振る」ことを意識して練習に取り組んだ。その姿勢が実り比嘉公也監督に先発を言い渡され「気合を入れていけ」と送り出された。
佐野は言葉通りに積極的に振りにいく。「1球を仕留める」と、2安打はいずれも甘く入った初球ストライクを完璧に捉えた。主将としても「背中で見せたかった」とうなずいた。
ただ、試合内容については「サインミスもあった。守りも怪しいところがあった。最後まで付け入る隙を見せずにいきたい」と課題を見つめた。勝利に浮かれず、次戦に向け「やりたいことをやって勝ち切る」と気を引き締めた。
(謝花史哲)
東恩納力投 2連続完投
1回戦に続き、主戦の東恩納蒼が完投勝利を挙げた。打者37人に122球を投じる力投。初回から走者を背負う展開が続いたが、球威のある直球で押しつつ、巧みに変化球を使い要所を締めた。「前回の反省を生かし序盤から真っすぐで押せたのが良かった」と手応えを十分に感じた。
1巡目は直球で攻め、その後はスライダーなどの変化球で相手の打ち気をそらす巧みな投球で三振を八つまで伸ばした。直球は140キロに乗せ、力で押すことができたこともあり、満塁となった八回の窮地を1失点に食い止めた。
ここまで1人で投げ抜いてはきたが「他にも投手がいる。チーム全員で勝ちにいきたい」と、3回戦突破へ一丸となって勝利をつかみにいく。
(謝花史哲)