基地の現状回復の基準統一を 沖縄県が米議員に働きかけ PFASの県民調査は難色を示す 県議会軍特委


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
沖縄県議会

 沖縄県議会米軍基地関係特別委員会(照屋大河委員長)が27日、開かれた。県は、米軍施設で起きた環境汚染の原状回復について、米国内と国外の基地で基準が異なるため、二重基準を解消するよう上院議員に働き掛けたことを明らかにした。人体に有害とされる有機フッ素化合物(PFAS)が米軍基地周辺から高い値で検出されている問題を受け、市民団体から県民のPFAS血中濃度の調査を求める声があるが、県は難色を示した。

 県は昨年8月、米軍施設で起きた環境汚染に対する原状回復について、米国内基地と海外基地では基準が違うとして、同様の基準にするよう米ワシントン駐在が上院議員に働き掛けをしたことを明らかにした。

 海外基地ではKISE(既知の、緊迫した、相当程度の危険が人間の健康に対してある場合)に限定して環境汚染の原状回復に対応することになっているが、米国内基地ではこの限りではないという。

 古堅圭一基地対策課長は「書面による正式要請はこれから」として今後、米側に対して正式に要請するか検討するとした。仲村未央氏(立憲おきなわ)への答弁。

 PFASについて、崎原美奈子健康長寿課長は「血中濃度調査の比較的な評価ができないため、引き続き健康影響に関する医学的情報を収集し、検査などの必要性について検討としていきたい」と述べた。

 嘉数登知事公室長は「血中濃度調査については技術的に難しい部分があるにしろ、県民の不安解消に向け知事と認識を共有して取れる対応を取りたい」と述べた。比嘉瑞己氏(共産)への答弁。
 (梅田正覚)