後悔のないように 長嶺晃太朗(北部報道グループ)<ゆんたくあっちゃ~>


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written by 長嶺晃太朗(北部報道グループ)

 過去はどうすることもできないが「もっと遊べば良かった」「怖がらずに留学すれば良かった」などと思い悩むことがある。小さい時から臆病者で「失敗したらどうしよう」と恐れてばかりだったので、他の人よりも後悔は多いはずだ。記者という仕事柄、各分野で活躍している人に日々出会う。挑戦を続けてきた人の人生と自らの人生を重ね合わせ、勝手に卑屈になってしまうことも実は多い。

 2月に本部町の広域通信制の八洲学園大学国際高校の卒業式を取材した。一般の公立高校と違い、幅広い年齢層の人がいる。卒業生の64歳の男性は、高校受験に失敗し、そのまま働いた。20代で起業し、理容室を県内に7カ所展開するなど仕事で大きな成果を収めたが、高校に行けなかったことがずっと心残りで八洲学園に入学。男性は大学進学も目指しており、「人生はこれからだ」と語る。

 男性のように後悔をしても、挑戦することができる。私自身も勇気をもらった。一方で、後悔では済まされない問題もある。人の命、貴重な自然、文化財は一度失われると二度と戻らない。沖縄戦では多くの人の命、財産が失われた。今のウクライナでも同様だろう。後悔してもしきれない出来事を防ぐため、多様な情報や人と接するメディアに何ができるか、模索したい。自分自身も後悔のない選択をしてきたい。

(名護市、本部町、今帰仁村)


ゆんたくあっちゃー 県内各地を駆け回る地方記者。取材を通して日々感じることや裏話などを紹介する。