那覇・市場本通りに「高校生百貨店」 高校生21人が厳選した商品が一堂に 交渉から接客まで職業に触れる


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「高校生百貨店」で県内商品の魅力を発信する高校生ら=3月27日、那覇市内

 県内の高校生21人がバイヤーとなって地元の魅力ある商品を選定し、販売する「高校生百貨店」が3月に6日間限定で、那覇市の市場本通りにある外間製菓所の一角で開かれた。高校生たちが自ら選び抜いた商品をPRし、店内は観光客や地元客でにぎわいを見せた。

 外間製菓所内にあるトライアルカフェ&キッチン「3Be(スリービー)」を活用し、店頭にエコバッグや「ばくだんおにぎり」、チーズやチョコレートなど約30種類を並べた。高校生が選定して販売する商品は好評で、最終日の27日午前時点で既に完売した品も。生徒たちは来店した客らに商品を丁寧に説明したほか、店の周辺でパンフレットを配り積極的に声を掛けた。

 高校生百貨店は、地域の担い手である若者の育成と生産者の課題解決を目指したプログラムで、大阪市のNPO法人Co.to.hana(コトハナ、西川亮代表)が運営する。これまで東北や関西で開催してきた。

観光客や地元客らでにぎわいを見せる店内

 県内初開催のきっかけは、那覇高2年の濱里愛さん(17)がSNSで偶然目にした、京都の高校生百貨店の広告。「沖縄でも開催できたら」。コトハナに直接問い合わせ、県内でも取り組むことが決まった。濱里さんは「挑戦してみることの大切さを学んだ」と振り返る。

 趣旨に賛同した高校生が県内各地から集い、週末に商品の選定や企業との交渉、店作りなどを手掛けた。オープン以降はメンバーが交代で店頭に立ち接客販売を担った。

 西川代表は「地域を知っていろんな大人と出会い、職業観に触れることが大切。自分たちで未来を築く実践的な取り組みにしてほしい」と語る。

 那覇高2年の崎山みゆさん(17)は「企業側の『沖縄でしか作れない商品』への思いが伝わり、沖縄の魅力を知ることができた」と笑顔を見せた。同2年の上原紗瑛さん(17)は「周囲の店舗の方から助言もいただき、意思疎通の大切さを学んだ。この経験を将来に生かしたい」と話した。

 プロジェクトは4月以降も継続する方針で、県内の高校1~3年生の参加も募集中。詳細はhttps://instagram.com/kokosei100okinawa?igshid=Mzc1MmZhNjY=の「高校生百貨店OKINAWA」インスタグラムから。
 (吉田早希)